Subject   : モーゼと十戒

カテゴリー  : 人文 > 旧約聖書の創世記 


 モーゼ
 BC13世紀、エジプトにユダヤ人の夫婦が住んでいて、その妻ヨケベドは美しい男の子を出産した。その頃エジプトではユダヤ人は嫌われ、生まれた赤ん坊は全て殺すように命令されていた。

 ヨケベドは産まれたばかりの我が子をパピルスの籠に隠してナイル川に流した。その籠を川遊びをしていたファラオの娘が拾った。赤ん坊はモーゼ(moses:川から引き上げた子)という名を付けられ、宮廷で王家の子として育てられた。ヨケベドは秘かに乳母に雇われ、モーゼに乳を与えることができた。

 成人したモーゼは、自分の生い立ちを知った。ある日、工事現場で鞭打たれているユダヤ人見た。彼を救おうとしたモーゼは、誤ってエジプト人を殺してしまう。モーゼは、シナイ半島の遊牧民ミディアン人のもとに逃げた。 ここでツィポラという娘と結婚し子供を持った。

 モーゼはシナイ山のふもとで羊を追っていた。すると燃える柴の中に神の使いが現れ、近寄るモーセにささやいた。「エジプトに帰り、イスラエルの民を救え。そして、約束の地カナンに連れて行くように」

 モーセは妻子を連れてエジプトに戻った。エジプト王に神の言葉を告げたが、 聞き入れられなかった。困ったモーゼは神に相談し、10の災害をエジプトに下した。災害を起こす前に、神はモーゼに告げる。「子羊の血を門柱に塗りなさい。私はエジプト中の初子は全て殺す。しかし、血の塗られた家は過ぎ越していくだろう」 これが過越祭(pass over)の始まり。

 10の災害はエジプト王を震え上がらせ、ユダヤ人がエジプトを出ることを許した。モーゼは200万人のユダヤ人を連れてカナンの地に向かう。BC1250年のことである。

 エジプト王はエジプト脱出を許したことを後悔し、ユダヤ人を皆殺しにすべく軍勢を率いて追跡した。前方には葦の海、背後にはエジプト軍と、絶体絶命の危機に陥ったその時奇跡が起こる。モーセが、海に手を差し伸べると、神は強い東風で海を二つに分け道を作った。ユダヤ人達がその道を通って渡り終えると海は閉じられ、追ってきたエジプト軍は海に沈んだ。 これが葦の海の奇跡である。
 十戒
 エジプト脱出の日から3ケ月が経ち、モーゼ一行はシナイ山のふもとにたどり着く。神はシナイ山の山頂でモーセに十戒を授けた。
1 他の神を信じてはならない 6 殺してはならない
2 偶像を作ってはいけない 7 姦淫してはならない
3 神の名をみだりに唱えるな 8 盗んではならない
4 週の7日目を安息日とせよ 9 偽証してはならない
5 .父母を敬うこと 10 人の物を欲しがるな


 下山したモーセは、神から授かった掟を民に聞かせ誓わせた。そして再び山頂に戻り、40日間にわたって神から細かい指示を受け、掟を記した2枚の石板を授った。
 ふもとでは黄金で作った子牛を神として礼拝していた。これは偶像崇拝で神への裏切り行為である。山から戻ったモーゼは激怒し、2枚の石板を子牛に投げつけて破壊した。また、裏切り者3,000人を処刑した。モーゼは再度40日間シナイ山にこもり、新たな石板を持ち帰った。
 モーゼ達は1年間シナイ山のふもとで過ごし、カナンに向かった。そこには強力なペリシテ人が住んでいた。彼らに怖気づいた一行は、新しい指導者をたててエジプトに戻ろうとした。

 これに神の怒りが爆発し、再び荒野に引き戻され、40年間放浪させられた。そこで多くの試練を克服した彼らは、強靭な精神と信仰を強めていった。

 モーセは再び迫ったカナンを目の前にして、ヨシュアを後継に指名し、120歳の命を全うした。モーゼは、奴隷に落ちぶれたユダヤ人(ヘブライ人)を解放し、一つの民族にまとめ上げた。
 ⇒ 天地創造

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