Subject : 代表的な仏教の経典の概要
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代表的な仏教の経典の概要
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代表的な仏教の経典の概要
またお経の含んでいる内容から、小乗経典、大乗経典、密教経典の3つに大きく分けられます。小乗経典は主としてお釈迦様が直接弟子達に説かれた教えです
(原始仏教経典ともいう)
。大乗経典は在家信者へも向けた内容が特徴となっています。
密教経典は、神秘的な傾向を持つのが特徴です。これらのお経を総合的に集めたものは「大蔵経」「一切経」と呼ばれるお経全集です。現在、日本で使われている大蔵経「大正新脩大蔵経」は、漢訳されたもので、全100巻もあります。その中には3053部のお経が収められています。
- ● 般若心経
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正式名を「摩訶般若波羅蜜多心経」または「般若波羅蜜多心経」といいます。「般若」とは智慧を、「波羅蜜多」とは「智慧で彼岸に渡る(さとりを開く)」ことを意味し、「すべての人々を彼岸へ渡らせる」と説いた大乗仏教をはじめて宣言した経典です。
日本で一般的にいう「般若心経」は玄奘訳のもので、玄奘が訳した全600巻から成る「大般若経」の中から、そのエッセンスを簡潔にまとめたものです。ほかに般若訳、鳩摩羅什訳、法月訳、法咸訳など七種の訳本があります。 推古天皇の時代の609年にもたらされたサンスクリット語の般若心経が、日本最古のものとして法隆寺に残っています。
宗派は、 天台宗、真言宗、浄土宗、禅宗
「色即是空、空即是色」の一節で有名で、深遠なる「空」の境地を説いたものです。
それまで小乗仏教がこだわり、説いてきた煩悩克服の教えに対して、「一切こだわるな」と教えています。煩悩を克服しようと執着する心を捨て、こだわりのない心を持ったなら、おのずと「空」の境地が開けてくる。これこそが真理であり、一切の苦しみから解き放たれる道であると教えています。
小乗仏教の教えの対極にあって、しかも出家僧だけでなく、全ての人々に向かって説かれたことから、革新的な経典であり、大乗仏教の根本経典となっています。
- ● 法華経
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代表的な大乗経典で、正式名は「妙法蓮華経」です。
漢訳では、鳩摩羅什の訳のものが最も多く用いられました。全八巻二十八品からなり、大きく分けて「迹門」と「本門」の二つに分けられ、さらに序文・正宗分・流通分の三部に分けて解釈されることから二門六段といいます。「迹門」は釈迦が久遠(永遠不滅)の仏であるという実体を明らかにする以前の教えで、「本門」は釈迦が久遠の仏であることを教え、この教えを信じ、実践する者に至福への道が明らかにされています。
え 「方便品」(ほうべんぽん)
あらゆる事物の成り立ちについて、縁起の法則を詳しく述べ、だがこれさえも、究極の真理ではなく、人々を救いに導く方便(手段)であるとしています。
「自我偈」(じがげ)
釈迦の「久遠の成仏」を説いたものとして、「法華経」の真髄とされる如来寿量品第十六のなかでも特に重要な部分です。
「観音経」
観世音菩薩の名前を唱えるだけで、どんな災厄からも救われるという現世利益を説いています。もとは単独の経典でしたが、後に法華経に組み入れられました。
宗派は、 天台宗、日蓮宗
- ● 華厳経
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法を説く「法華経」に対して「華厳経」は仏を説いたお経で、華厳宗の根本経典です。
毘盧遮那仏について書かれた経典で、釈迦が菩提樹の下でさとりを開いたときの、そのままの境地を説いたものとして非常に尊重されています。
宗派は、 華厳宗
- ● 無量寿経(浄土三部経)
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序・本論・結語の三部四章からなり、経が長いことから「大経」とも呼ばれます。
(浄土三部経)
法蔵菩薩が一切衆生を救済するため仏陀となることを志し、その本願(誓い)として四十八願をたてます。長い修行をへて、すべての誓願を成就させた法蔵菩薩は阿弥陀如来となり、荘厳なる西方極楽浄土が出現します。そして極楽往生を願う人々に称名念仏を説いています。
宗派は、 浄土宗、浄土真宗、時宗
- ● 観無量寿経(浄土三部経)
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略して「観経」とも呼ばれます。
ドラマチックな王位継承をめぐる骨肉の争いをベースにして、極楽往生するための具体的、実践的な方法論を詳しく説いています。
宗派は、浄土宗、浄土真宗、時宗、天台宗
- ● 阿弥陀経(浄土三部経)
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浄土三部教のなかでもっとも短いため、「小無量寿経」「小経」とも呼ばれます。現在、浄土系各宗派の法事などでよく読誦される経典です。簡潔、コンパクトにまとめてあります。
極楽浄土の荘厳な様子や、極楽浄土へ往生する方法を説いています。
浄土宗、浄土真宗、時宗
- ● 大日経
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要 正式には「大毘盧遮那成仏神変加持経」といい、正純密教成立以前の呪術的儀礼、瞑想法などを仏教思想のなかに取り込み、成仏のために行法として位置づけ、体系化した最初の経典です。
宇宙の真理を体現する法身仏である大日如来が、菩薩の代表である金剛薩たの質問に答えるという形式で書かれています。全七巻のうち第一巻は「悟りという仏の智恵とは何か」について語る理論編で、第二巻以降では、胎蔵曼荼羅の描き方など密教の儀礼が解説される実践編になっています。
真言宗
- ● 金剛頂経
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「金剛頂一切如来真実摂大乗現証大教王経」三巻のことを指します。「金剛頂経」は智恵の世界、金剛界を明らかにしています。
大日如来が一切義成就菩薩(釈迦)の質問に対して、悟りの内容とその悟りを得るための方法を説明するという形式で書かれ、全体が非常に実践的にできており、これが「金剛頂経」の大きな特徴となっています。
真言宗、天台宗
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