Subject   : 味について

カテゴリー  : その他  


 味について
 中国に現存する最古の医学書に、味は五つからなることが記されている。鹹味、甘味、酸味、苦味、辛味の五つである。鹹味は塩味のことです。
 西洋では、ギリシャのアリストテレス(紀元前四世紀)が味を七つに分類しました。 塩味、甘味、酸味、苦味、厳しさ、鋭さ、荒さです。 20世紀初頭のヘニングの四原味説では、塩味、甘味、酸味、苦味の四つで すべての味が表現できるとされています。
 現在では、味は五つの基本味からなるといわれています。 甘、酸、塩、苦、そして「うま味」です。
 辛味は味ではなくなってしまいました。 辛味は、私たちの舌にある味細胞で感じる味ではないのです。 痛覚を刺激する味なのです。  辛味をもつ物質の代表、それはトウガラシである。成分はカプサイシンといわれる炭素、水素、酸素、窒素からなる化合物だ。トウガラシはアメリカ大陸原産の熱帯性植物で、一五、一六世紀の大航海時代にヨーロッパに伝わった。一般によくいわれるように、香辛料は肉の保存に有効である  カプサイシンを受け取る受容体が最近見つかった。それは、温度に応答するタンパク質であった。カプサイシンを受容すると、人は「熱い」と感じているのである。まさしく刺激的な味(?)である。そう、確かに「味」ではない。このような刺激を人は好む。これは生物のもつ本能としての好奇心、冒険心ともいえる。 英語では辛味を hot taste といいます。
うま味は、グルタミン酸ナトリウムというアミノ酸、そしてイノシン酸ナトリウムやグアニル酸ナトリウムという、遺伝子をつくる核酸系物質のもつ味のことである。グルタミン酸ナトリウムは1908年、東京帝国大学の池田菊苗教授が発見し、その味をうま味と命名した。
 イノシン酸はかつお節のうま味成分、グアニル酸はシイタケのうま味成分である。どちらも日本人の発見による。
 グルタミン酸とイノシン酸、グアニル酸には、相乗効果と呼ばれる顕著な効果がある。互いに味を強め合うのだ。市販のうま味調味料は二種類のうま味物質を含み、まさしくこの効果を利用している。
 うま味の相乗効果は、私たちも日常の料理に取り入れている。たとえば、日本料理のだしをとる場合、かつお節と昆布の両方を使ったほうが、飛躍的にうま味が増す。

 ⇒ うま味調味料

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]