Subject   : シナモン

カテゴリー  : その他  


 シナモン
シナモンはスリランカ・南インドを原産とするクスノキ科の常緑高木で、一年中花を咲かせている。日本名は、桂皮または肉桂 (にっけい)。
樹高10メートルほどに成長するが、ふつうは2メートル以下の高さに制御される。この木は淡褐色の厚い樹皮がおたがいに内側に巻いた形をしており、この樹皮をはぎ、乾燥させたものがスパイスとして利用される。

シナモン、カシア、ニッキとも香りの主成分は桂皮アルデヒド。 40度前後でもっとも香りを発散する。 砂糖と相性が良く、甘味を引きたたせるので菓子類に使われるほか、 カレー粉やソースにも欠かせない香辛料である。

シナモン(カシア)は、旧約聖書やエジプトの古文書にも登場するなど、古くから利用されてきたスパイスで、紀元前4000年頃から、エジプトでミイラの防腐剤として使われ、また寺院の儀礼にも貴重な薫香として用いられていた。それはカシアだろうと思われるが、中国から運ばれていたという。
シナモンは神話の中では、フェニックス(不死鳥)が没薬(ミルラ)と甘松香(ナルデ)とともにシナモンを集めて魔法の火を点じ、その中で焼け死んでからふたたびよみがえったと伝えられている。

種小名の「zeylanicum」は「スリランカの」を意味する。 「Cinnamomum zeylanicum」はインドネシア原産だが、18世紀にオランダ人がスリランカで栽培したことから、セイロンシナモンとも呼ばれている。

桂皮は、産地により「広南 (かんなん) 桂皮」「ベトナム桂皮」などの名称がある。また品質により「官桂」「企辺桂」「板桂」「桂心」「桂砕」などにわけられます。ケイの葉と小枝もしくは樹皮を水蒸気蒸留して得た精油を「ケイヒ油」という。昔、夜店や駄菓子屋で売られていたニッキである。英語でいうシナモンは、正確にはステック状に巻いたセイロン桂皮の枝の皮のことである。ベトナム産のものはカッシアと呼んで区別している。前者は甘味が後者は辛味が強い。ケイヒは我が国の温暖な地方で栽培され、根皮を用いる。これがニッキで芳香も優れている。

● 桂皮アルデヒド
シンナムアルデヒド (cinnamaldehyde) は示性式 C6H5CH=CH?CHO と表される、芳香族アルデヒドの一種。分子量は 132.16。シナモンの香り成分であり、桂皮油の主成分。シンナムアルデヒドはIUPAC命名法の許容慣用名であるが、系統名では (E)-3-フェニルプロペナールと表される。幾何異性体として他に (Z) 体があるが、天然に産するのは (E) 体のみである。別名としてシンナミルアルデヒドとも呼ばれる。

 ⇒ 香辛料

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