Subject   : 恵方〔えほう〕

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 恵方〔えほう〕
 恵方とは、陰陽道に基づく方角の吉凶をいう俗信。吉方とも書き、明方(あきのかた、あきほう)ともいう。 十干(じっかん),十二支の組合せによってその年の恵方を決める。陰陽道で歳徳神(としとくじん)のつかさどる方角をいったものであるが、日本では正月に歳神(としがみ)が訪れてくる方角と理解し、門松迎えには自分の山でなくとも、恵方の山から自由に切ってきてよいといったり、鍬(くわ)初めなどの仕事始めに際しても、恵方の田畑で儀式を行う。元日の朝早く牛小屋を見回り、そのとき牛の向いていた方角を恵方とする例もある。年の初めにあたって、その方角にある神社や寺に参拝するのを恵方参(えほうまい)りという。朝暗いうちから出かけ、人より先に行ってお札(ふだ)を頂いて帰ってくる。現在は、村氏神に参る初詣(はつもう)でと混同し、恵方の社寺に初詣でをしたり、また、社寺や交通業者の宣伝もあって、方角などには関係なく、有名な社寺に参ることが多い。

年の十干 西暦年の
1の位
方位角 16方位
甲・己 4・9 75° 東北東やや右
乙・庚 0・5 255 西南西やや右
丙・辛・戊・癸 1・6・3・8 165° 南南東やや右
丁・壬 2・7 345° 北北西やや右

● 恵方巻
関西では、立春の前日の節分の日に恵方を向いて太巻きを丸かじりする習慣がある。ただし、恵方巻が各地で宣伝され出した2000年ごろからは甲とすべき所を「東北東」、丙とすべき所を「南南東」と16方位に言い換える例が多くなっている。これは、甲・丙などといった方角表記になじみがなくなってきたため、あるいはより日常的な16方位による簡便な説明を求められるようになったためであるが、これでは厳密には方角が変わってしまう。たとえば甲は東から北よりに15°だが、これは東北東(同じく22.5°)より7.5°右である。
 ⇒ 暦のことば(二十四節気)

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