生活のリズムの破綻や精神的・肉体的ストレスのもとで発症する腸管の機能的な疾患です。便秘や下痢、または便秘と下痢のくり返しが長期にわたり続きます。腹痛や腹部の膨満感も伴うことが多く見られます。諸検査にても、器質的病変は認められません。治療は、規則正しい生活習慣を身につけ、自律神経の訓練などでみだれた腸管の神経調節を元に戻すようにします。周囲の環境の調節が必要な時もあります。薬物治療としては、腸管の緊張を抑える抗コリン剤や自律神経調整薬、整腸剤などを用います。
過換気症候群とは、突然呼吸の回数が多くなり息苦しく、動悸がして
胸がしめつけられれる様で、強い不安を伴い、同時に頭痛や吐き気、
口の周りや手足のしびれ、ひどい時には全身がしびれたり、けいれんを起こしたりするような発作があらわれる病気で、
過呼吸症候群とも呼ばれています。
心因性のストレスなどが原因で、呼吸に対する不安、空気飢餓感などを引き起こします。心身の興奮に伴って過呼吸、心悸亢進、四肢のシビレ感、不安興奮状態となり、これがさらに過呼吸を促進させるという悪循環を生じます。思春期の女性に多く、過呼吸により呼吸性のアルカローシスとなります。治療には、紙袋を口と鼻に当てて呼吸をさせる方法がとられます。本症は再発するため、心配のない病気であることをよく理解することが重要です。
心臓が夜に急にどきどきして何となく息苦しくなったり、動悸がしたり、軽い胸痛を 感じることもあります。ストレスや心理的な葛藤などにより、自律神経失調が起こり、 このような症状がでます。 不安神経症の一種で、四肢のしびれや冷感、冷や汗などの 症状もよく見られます。 過呼吸発作の症状をとったり、抑うつ症状としてでることもあります。 治療には、自律神経の訓練や精神安定剤の投与が必要なこともあります。
「ノドに何かつかえた感じがある。」「食道が狭くなっていて物がとうりにくいようだが、検査しても異常がない。」などの訴えがあります。神経症の一つのタイプであり、漢方薬や安定剤により治療されます。
心因性の咳という形であらわれる場合もあります。この咳の特徴は、睡眠中は起こらず、登校前、テスト前、睡眠前などに起きます。自律神経の乱れによって咳が誘発されるのです。通常の咳止めは効果がありません。
心理的な原因でおこるその他の症状や体の病気は、狭心症,頻脈,不整脈などの症状、 気管支喘息、神経性呼吸困難,喉頭けいれん、しゃっくり、 慢性胃炎、胃下垂、胃アトニー、 糖尿病,肥満症、甲状腺機能亢進症、 月経困難症,月経前緊張症,インポテンツ、 慢性関節リウマチ、脊髄過敏症,関節痛,腰痛、背痛 皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、円形脱毛症、多汗症、湿疹、 アレルギー性鼻炎、慢性副鼻こう炎、 眼まぶたけいれん、 夜尿症、周期性おうど症、 神経痛、筋緊張性頭痛などの疾患、めまい、失神発作、発熱 など、様々な例があげられています。