Subject  : かゆみを伴う皮膚病

カテゴリー: 健康・医療情報 


 かゆみを伴う皮膚病
かゆみを伴う皮膚病は、じんましん、湿疹、皮膚そう痒症の3種類に 大きく分けられます。
かゆみの正体はまだはっきり解明されていませんが、神経末端部の 刺激による疼痛の一種、または痛みの軽いものと考えられています。 ある種のアミノ酸、ヒスタミン、たんぱく分解酵素などの化学的刺激や 温熱、摩擦などの物理的刺激によって起こるとされています。
 皮膚のかゆみを引き起こす原因は いろいろあります。虫刺されなどの 化学的刺激、温熱や摩擦などの物理的刺激、じんましんや湿疹などの 皮膚病が原因になっていることが多いのですが、ストレスなど 精神的なものが原因でかゆみを感じる場合(特に更年期や初老期の人) もあります。 また、肝臓病、腎臓病、糖尿病、悪性腫瘍などに伴ってかゆみが出る 場合もあります。
かゆみが強いとついかいてしまいがちですが、かえってその後かゆみを増強させたり、長く持続させてしまいます。 叩いたり、こすったり、つねったりするのも、かくのと同じ結果 になります。かゆみは温めると増強し、冷やすと軽減します。 ですから、かゆみが強いときには患部に濡れタオルなどをあてて 冷やすのが効果的です。血流がよくなって体温が上昇するとかゆみが増強しますから、長時間の入浴、運動、アルコールは避けます。 辛いものやコーヒーなどの刺激物も控えたほうが無難です。

● じんましん
 風邪ぎみだったり、疲れていて体調がすぐれないときなどに起こりやすい ものです。 発症の引き金になるものとしては、生の魚介類、卵、飲み薬などがあります。 原因となるものと接種した後、数時間以内に全身のかゆみとともにからだの 柔らかい部分に蚊に刺されたような膨らみが生じます。 かくことによって広がり、耐えがたいかゆみとなります。
 1〜2日で自然におさまることが多いのですが、じんましんには 抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤が有効なので、症状が強い場合には 皮膚科か内科を受診してください。 どんな状況でじんましんが出たのかを覚えておき、以後は原因と思われるものを避けましょう。
● 皮膚そう痒症
湿疹を伴わないかゆみだけのものを皮膚そう痒症と呼んでいます。 原因としては精神的ストレス、疲労、加齢による皮脂欠乏症などが あります。 また、肝臓や腎臓の慢性疾患や悪性腫瘍に伴って生じることもあるので、 かゆみ以外の症状がみられる場合には一度皮膚科や内科を受診してください。

 湿疹
湿疹というのは、かゆみとともに紅斑や赤いブツブツを伴うものを指します。 湿疹には接触皮膚炎(かぶれ)、アトピー性皮膚炎、皮脂欠乏性皮膚炎、 主婦湿疹などがあります。
● 接触皮膚炎(かぶれ)
化学薬品、植物(漆、銀杏、西洋サクラ草など)、金属などが皮膚に触れたことによって起こる湿疹反応で、かゆみやヒリヒリ感を伴います。紅斑と小さな赤いブツブツがかたまってでき、ひどくなると皮膚がジクジクしてただれます。軽い場合には患部を冷やしてそっとしておけば自然に治ります。症状が強い場合にはステロイド軟膏を処方してもらうとよいでしょう。この場合も一度かぶれたものはきちんと覚えておくことです。
● アトピー性皮膚炎
主に小児期に生じるアレルギー素因に基づいた慢性的に続く湿疹です。皮膚が全体にカサカサと乾燥している子供に多く、首、ひじ、ひざなどの折れ曲がる部分に湿疹を繰り返し、ひどい場合にはからだ全体に及びます。  日常生活では患部をかきむしらないように注意し、皮膚を石鹸で洗って清潔を保つように心がけてください。アトピー性皮膚炎の場合には皮膚科医の診療、指導、治療を受けるほうが安心です。
● 皮脂欠乏性皮膚炎
老年期になって皮膚が乾燥してくることが原因で、皮膚に生じたかゆみ(皮膚そう痒症)をかきこわすことによって起こる湿疹です。特に空気が乾燥する冬場に多くみられます。軽いものは市販の尿素入り軟膏で軽快しますが、湿疹が高度のときにはステロイド軟膏が有効です。高齢者の場合にはまず皮膚の乾燥を防ぐことが大切なので、入浴の際には皮脂を取りすぎない程度に軽く洗い、保湿力の高いローションやオイルなどをつけて水分と脂分を補うようにします。
● 主婦湿疹
水や洗剤を使って家事をする女性に多い手の湿疹です。家事を避ければ軽快することが多いのですが、実際問題としてそれは無理でしょう。水や洗剤を使う仕事をするときにはゴム手袋の下に白い木綿の手袋をはめて行なうようにしてください。市販のワセリンや尿素入りのハンドクリームで軽快しますが、それで治らない場合にはステロイド軟膏を処方してもらうとよいでしょう。

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