Subject  : 皮膚

カテゴリー: 健康・医療情報 


 皮膚
皮膚は表皮、真皮からなりその下に皮下脂肪織があります。

■ 表皮
 表皮は数層の細胞からなる薄い組織で、表面から、角層、顆粒層、有棘層、基底層からなります。基底層は1層の細胞より成り、この基底層の細胞(基底細胞)が分裂してこの上の有棘層の細胞(有棘細胞)になります。有棘層は数層の細胞からなり表皮の大部分を構成します。有棘層の細胞は1〜数層の顆粒層の細胞になり、さらに角化した物質になって最外層の角質を形成します。基底細胞の間にところどころメラニン細胞があり、メラニン色素を産生します。
表皮は、最下層の基底層で分裂して、表面近くに移動するにつれて分化、細胞小器官や細胞核を失った角層細胞になります。角層は、この角層細胞が15から20の層に重なった構造をしています。この角層が外部からの異物に対するバリアー機能を持ち、またからだの水分を保持する機能を持っています。角層の厚さは約20ミクロンで、その下はからだの水分で「水びたし」というわけです。
皮膚はまた、免疫的組織でもあり、このため皮膚の移植は不可能なのです。むろん、全身やけどなどで全身の免疫の機能が落ちている時には一時的な移植は可能です。角層のすぐ下には免疫機構を司るランゲルハンス細胞があり、皮膚から異物が侵入すると、それを排除するため皮膚炎(かぶれ)を起こします。
表皮は1カ月ぐらいで角層になり、だいたい毎日、角層が一層ずつはげ落ち、約2週間で全部置き換わります。からだには角層が薄い部分があり、外陰部の角層は4層、まぶたは7、8層ぐらいです。逆に手のひらとか、足のかかとは何十層と、とても厚くなっています。一方、毛は角層が変化したものですが、数年間は生え続けるし、爪も角層が変化したものですが、これは一生生え続けます。
表皮の最も内側には、皮膚の色を濃くする色素をつくっているメラニン細胞があります。メラニン色素は日光からの紫外線を吸収し、皮膚の色を変えます。

■ 真皮
表皮の下には真皮があります。  真皮はコラーゲンとフィブリンなどの繊維組織からなり、微小な血管網、神経を有しています。真皮は線維組織と弾性組織でできた厚い層で、皮膚に弾力性と強さを与えています。真皮内には神経終末、血管があります。  また、皮膚の毛や脂腺、汗腺などの皮膚の付属器も真皮から表皮にかけて存在します。
神経終末は痛みや触感、心地良さ、温度を感じとります。皮膚の部分によっては神経が他の部分より多く集まっていて、刺激に敏感です。たとえば手の指先や足のつま先には多くの神経があるので、触感や刺激に非常に敏感です。
汗腺は、熱に反応して汗を出します。汗は水と塩分、その他の化学物質からなる液体です。汗が皮膚から蒸発すると体温が下がります。わきの下と性器周辺にはアポクリン腺という特殊な汗腺があります。ここから出る汗は濃くて脂っぽく、この部分の皮膚にいる細菌が分泌された汗を分解すると特徴的な体臭が生じます。脂腺は皮脂を分泌します。皮脂には、皮膚をうるおいのある柔軟な状態に保つ働きと、異物に対する保護膜としての働きがあります。
真皮にある血管は、皮膚に栄養を与えるとともに、体温を調節する働きをしています。熱を感じると、血管が拡張してたくさんの血液が皮膚表面を循環し、体温は皮膚から発散されていきます。寒さを感じると血管は収縮し、体温を逃さないように働きます。

■ 脂肪層
脂肪層は真皮の下にある層で、体を外気の熱や寒さから守り、クッションのように体を保護する役割や、エネルギーの貯蔵部位としての役割を担っています。脂肪細胞という生きた細胞の中に脂肪が蓄えられていて、この細胞が線維組織によって結合しています。脂肪層の厚みは体の部分によって異なります。たとえば、まぶたの脂肪層はごくわずかですが、腹部や尻の部分では人によっては数センチメートル以上の厚みがあります。
 ⇒ かゆみを伴う皮膚病
 ⇒ 皮膚疾患

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