Subject  : 胃・十二指腸の病気

カテゴリー: 健康・医療情報 


 胃・十二指腸の病気
胃は三層の筋肉と内面の粘膜からなる丈夫な袋ですが、酷使されることが多く様々な原因から多様な疾患がみられます。また十二指腸は胃・小腸間の腸管で、胆汁や膵液といった消化液が流入してくる重要な部位です。

● 胃炎
萎縮性胃炎は中年以降の方にはよくみられる疾患ですが、ストレスや暴飲・暴食などにより、粘膜が傷ついたり剥脱したりして痛みをともなう急性の胃炎を起こすこともあります。粘膜保護剤や制酸剤、胃酸分泌抑制剤などの服用で治療可能です。
● 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
主として摂食時に分泌される胃酸はPH2の非常に強い酸ですが、通常胃壁は粘膜から分泌される粘液(プロスタグランジン)などで保護され、自己消化を防いでいます。ところが何らかの理由でこれらの防御側の因子が障害されると胃酸が胃自らをも消化してしまい、胃壁に潰瘍を形成してしまうことがあります。十二指腸潰瘍も同様の機序で発生します。十数年前までは胃潰瘍や十二指腸潰瘍は完治が難しく、その結果として穿孔や出血により緊急手術を余儀なくされたり瘢痕による狭窄で難渋することもありました。その後、強力に胃酸をおさえる薬が開発されて治療成績は飛躍的に向上し、現在では専門医の指示通り服薬していただければ、ほとんどの胃・十二指腸潰瘍は内科的な治療が可能です。また最近はHelicobactor Pylori という名前の細菌の胃壁への感染が胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因ではないか,との学説も有力視されています
● 胃癌
最近減りつつあるとはいえ、日本では依然として最も高頻度にみられる癌のひとつです。塩分のとりすぎや食物中の発癌物質が誘因となるとも言われていますが、現時点では他の癌同様に予防は不可能で早期発見・早期治療が治癒のための大原則です。幸いわが国では胃癌検診システムがすすんでいますから早期癌が発見される比率も高く、手術なしに内視鏡で切除されるだけの患者さんもどんどん増えています。進行癌では手術治療が中心ですが、癌の発生した部位により胃の三分の二あるいは全部を摘出する手術が一般的です。
● 十二指腸癌
激しいみぞおち痛(夜間・空腹時)、胸やけ、黒色のタールのような便が 出ます。
十二指腸では、胃から出てきた食物に肝臓や膵臓からの消化液が分泌されます。それぞれの消化液は十二指腸乳頭と呼ばれる小突起から十二指腸内腔に送り出されますが、この部分に癌ができて消化液の流出が障害されると、黄疸や腹部膨満感、腹痛などの症状が出現します。進行すれば手術が大がかりになるだけでなく、治癒の可能性も非常に低くなりますので注意が必要です。

 ⇒ 消化器系の病気

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