Subject  : 膵臓(すいぞう)の病気

カテゴリー: 健康・医療情報 


 膵臓(すいぞう)の病気
膵臓は上腹部の深いところにある横長の柔らかな臓器です。脂肪や蛋白質の消化に必要な膵液を十二指腸に分泌することと、生体の維持に不可欠な血液中のブドウ糖をコントロールするインシュリンを血中に分泌することが主な役割です。

● 急性膵炎
胆石による胆汁のうっ滞や多量の飲酒が原因で、十二指腸内で初めて 活性化されるはずの消化酵素が膵臓内で活性化すると、膵臓を 自己消化してしまうことがあります。このような状態を急性膵炎と言い、 ひどいときには膵臓だけでなく、周囲の組織をも消化して広範に溶かして しまいます。
患者さんは、上腹部(特にみぞおち周辺)や左李肋部の突然の痛み、 背部痛、発熱、吐き気、おう吐などです。 黄疸(おうだん)が見られることもり、呼吸不全や細菌感染が加わって 敗血症から死に至ることも珍しくありません。
原因の主なものは胆石症とアルコールの過剰摂取です。 これ以外の原因では、流行性耳下腺炎などのウイルス感染や腹部の強打、 アレルギー、副甲状腺機能亢進などです。
● 慢性膵炎
慢性膵炎の病態は多量のアルコールの長年にわたる摂取や自己免疫疾患などによる膵臓の組織破壊と線維化です。反復する腹痛発作がみられ、インシュリンの分泌も不足がちになって、糖尿病傾向になります。慢性膵炎により低下した膵機能は回復しませんが、痛みの除去を目的に手術を行うことがあります。
● 膵臓癌
数多くの癌のなかでも、もっとも死亡率の高い癌のひとつが膵臓癌です。胆嚢癌同様、初期には無症状であることが多く、進行すると背中の痛みや黄疸などの症状がでてきます。小さなうちに発見すれば、手術による完治も可能ですから、早期発見が重要です。検診の際には腹部の超音波検査やCT検査による膵臓のチェックを忘れずに行ってください。
● 膵嚢胞(すいのうほう)
膵嚢胞は、膵臓に線椎で囲まれた嚢胞ができる先天性のものと、後天性のものがあります。先天性のものは、嚢胞性線維症などがあります。後天的なものは、いろいろな膵臓の病気にみられます。
膵嚢胞では、膵臓が大きくなるので、腹部にかたまりができます。そのほか、慢性膵炎にみられるような症状がみられます。
 ⇒ 消化器系の病気

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