Subject  : うつ病

カテゴリー: 健康・医療情報 


 うつ病
 うつ病は、気分が沈む、不安でいらいらするなどの気分の障害と、やる気がなくなって何に対しても関心や興味がなくなるといった思考力や行動にブレーキがかかる2つの状態が重なった病気です。
 うつ病には罹りやすい年代が3つあります。最初は20歳前後の青年期、次は50歳前後の中年期、そして70歳前後の老年期です。ここでは老年期のうつ病についてお話しします。

 中年期のうつ病の特徴は、食欲不振、便秘、下痢などの胃腸障害、頭痛、肩こり、動悸、めまい、疲れやすさなどいろいろな体の症状が最初に現れることが多いようです。。ですから、更年期障害や自律神経障害などと間違われることがあります。内科などで検査を受けても異常が見つからなかった時は、うつ病かもしれないと考えてみましょう。
 精神症状では、寝付きが悪い、目覚めが早い、逆に長く寝るなどの睡眠障害があらわれます。さらに朝起きがつらくなり、朝刊が読めなくなる、興味や関心が薄らぐ、イライラする、気分が晴れない、物忘れするなどがよくみられます。
 以上のような症状がみられた時は、一度精神科の専門医に診せて下さい。中途半端な治療をしますと、回復に時間がかかる場合があります。治療としては、仕事や家事などをせずに休養をとることと、専門医の処方したうつ病の薬を飲むことです。必ず良くなります。

 老年期は身体の衰えが目立つうえに配偶者や友人の死亡などで孤独感が深まり、うつ病の起こりやすい年代です。また老年期では、身体の不調をきたす本当の原因がうつ病であることも少なくありません。例えば不眠、頭痛、肩こり、動悸や胸苦しさ、食欲不振や便秘、体のだるさなどが長く続き、内科や整形外科で診察を受けて特に異常はないと言われた場合、その奥にはうつ病が潜んでいることがよくあります。それから老年期には痴呆と間違えられてしまうようなうつ病もあります。それは気力がなくなってぼんやりした状態で、何を尋ねられてもわかりませんという答えが多くなるからです。
 老年期のうつ病は少量の抗うつ剤で良くなることが多く、また必ず治る病気ですので、早めに専門医である精神科、心療内科のクリニックや病院で診察を受けることをお勧めします。

うつ病は、真面目な人がなりやすいので、周囲の人は気のせいなどと言って励まさないことです。ただでさえ頑張るタイプの人ですから、かえって回復には逆効果です。
 家族の方が口にしないように注意しなければいけないのは、「頑張って下さい」という励ましの言葉です。頑張る気力もないうつ病の人にはつらい言葉です。また、「自分の好きなようにしなさい」という言葉もいけません。自分で何も決めることができない状態なのですから。このようなことをよく理解し、温かい目で見守りながら上手にサポートしてあげて下さい。  
うつ病の治療には薬物療法が不可欠です。治療法としてはこのほか、心理療法と電気けいれん療法があります。いくつかの治療法を併用する場合もあります。うつ病は治療すれば普通は治る病気であり、人格的欠陥や精神力の弱さなどの表れではありません。

 ⇒ うつ病の薬物療法

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