Subject : 息切れ(呼吸困難)
カテゴリー: 健康・医療情報 > 呼吸器系の病気
息切れ(呼吸困難)
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呼吸困難とは呼吸が困難な苦しい状態のことで、息切れともいいます。呼吸困難によって呼吸が速くなると、空気が足りないような感じがします。そして、いくら速く深く呼吸をしても十分ではないという感覚に襲われます。ほかにも、息を吸う際に胸を広げ、息を吐き出す際に空気を押し出す筋肉の負担が増加したように感じます。また、完全に息を吐き終わる前に、急いで息を吸いこまなくてはいけないと感じ、落ち着かなくなります。胸が締めつけられるような、さまざまな感覚も起こります。
閉塞性または拘束性の肺疾患によって呼吸困難は起こります。特発性肺線維症 (浸潤性肺疾患)などの拘束性の肺疾患では、肺が硬くなり、息を吸う際に十分に広がらなくなります。重度の背骨の弯曲(脊柱側弯[そくわん]症)は、肋骨の動きを低下させ、拘束性の変化を引き起こします。拘束性肺疾患では、肺の壁が厚くなって呼吸数が増加し、体への負担が増加するため、呼吸困難が起こります。慢性気管支炎、肺気腫、喘息などの慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、気道が普通よりも狭くなり、空気が流れにくくなります。息を吸うときには気道が広がるため、空気が中へと取りこまれますが、息を吐くときは気道が狭くなるため、空気は吸いこんだときと同じ速さでは肺から吐き出されず、呼吸は苦しくなります。
息切れは、心不全でよくみられる症状です。
息切れは、体液が肺の胸膜腔内ににじみ出すために生じ、これを肺うっ血
あるいは肺水腫といいます。この過程は、水におぼれているときと同じです。
心不全の初期では、息切れが起こるのは運動中だけです。
心不全の悪化につれて、息切れはわずかな身体活動でも起こるようになり、
やがて安静時にも起こります。安静時の息切れは、ほとんど横になっている
ときに起こりますが、これは肺の組織から体液がにじみ出てくるためです。
起き上がると、重力によって体液が肺の底部に集まるため、息切れが軽減します。夜間の呼吸困難は、夜横になっているときに生じる息切れで、起き上がって
脚をブラブラさせると楽になります。夜間の呼吸困難がある場合は、体が
水平にならないように枕などで上体を高くすると、楽に眠れます。
息切れは冠動脈疾患でも起こります。この場合の息切れは普通、運動中に起こりますが、重症の場合、最小限の身体活動でも、安静時でも起こることがあります。
息切れはまた、呼吸筋の障害、呼吸を妨げる神経系の障害などによっても生じます。酸素の需要と供給の間の正常で微妙なバランスを崩すあらゆる疾患が息切れを起こす可能性があります。たとえば、貧血では赤血球の数が少なくなるため、十分な酸素を運ぶことができなくなり、息切れが起こります。
⇒
呼吸不全
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