Subject  : 臭いがなくなる病気

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 臭いがなくなる病気
 臭いと感じる感覚、すなわち嗅覚は、視覚や聴覚などの五感の中で、最も忘れがちな感覚ですが、嗅覚が働かなくなるとガス漏れに気付かなかったり、腐った食物をうっかり口に入れたり、火事に気付くのに遅れたりと生命の危険にさらされます。また、食物の味がわからなくなったり、花や草木の香りや、折角の香水や化粧品の香りがしなくなると日常生活の潤いが失われます。

 その嗅覚は空気中に漂う「におい」の分子が鼻の中に吸い込まれ、空気の流れに乗って鼻の奥の天井部分にある、においのセンサーすなわち嗅粘膜にキャッチされ、そこにある嗅細胞からの信号が臭いの神経すなわち嗅神経を伝って最後に脳に到達して、何の臭いかを感じる仕組になっています。  従って鼻の入り口から脳にいたるまでの嗅覚の伝導経路で異常を起こした部位により、嗅覚障害は3つに分類されます。

 1番目は、「呼吸性嗅覚障害」といい、鼻炎・副鼻腔炎・鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)や鼻茸(はなたけ)等が原因で鼻に入った「におい」の分子が鼻の奥の嗅粘膜に到達できない場合。

 2番目は「嗅粘膜性嗅覚障害」といい、においのセンサーである嗅粘膜が副鼻腔炎の炎症や病原体または有毒ガスに犯された場合。

 3番目は「中枢性嗅覚障害」といい、頭部外傷・ 脳腫瘍・アルツハイマー病または薬の副作用などにより嗅神経や脳が犯された場合です。

この3つの内、8割が1番目と2番目を加えた鼻の病気が原因といわれます。  次に治療法は、アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎などの原因となる鼻の病気の治療に加え、現在、嗅粘膜の回復に最も有効な方法としてステロイドホルモン剤を鼻に点鼻する方法があります。 「におい」がなくなって2、3ヶ月経過すると回復が難しいので早いうちに耳鼻科医を受診することが大切です。その他、嗅覚それに味覚は亜鉛不足が原因といわれますので、カキ・サザエ・海草・ナッツ・大豆製品またはお茶・紅茶の食餌療法もすすめられます。

 ⇒ 鼻の異常と病気

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