Subject  : 食道癌

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 食道癌
喫煙と飲酒は食道癌の最大の危険因子であり、腺癌よりも扁平上皮癌の発症と密接に関係しています。ヒトパピローマウイルス感染症を患っている人、頭頸部癌の既往がある人、あるいは食道周囲の器官の癌で放射線療法を受けている人は、食道癌になりやすい傾向があります。
食道アカラシア、食道ウェブ、強酸など腐食性物質の誤飲などが原因による食道障害のある人も、食道癌になるリスクが高い人たちです。また、強い胃酸が食道に逆流して炎症を繰り返すこと(胃食道逆流)で食道粘膜が長期間刺激を受け続けると、バレット食道と呼ばれる前癌状態を呈します。多くの先進国では、バレット食道から食道癌を発症するケースは少ないのですが、他の食道癌と比べて頻度の増加が速くなっています。

 【症状】
早期の食道癌は無症状です。固形物を食べたときに、のどのつかえから初めて気がつくことがよくあります。これは癌が大きくなって食道の内側が狭くなったためです。数週間もすると軟らかい食べものや水分も飲みこみづらくなります。この状態が続くと食欲はあっても体重が減ってきます。 癌が進行すると周囲のさまざまな神経、組織、器官を障害します。声を調節している神経を腫瘍が圧迫すると声がかすれます。頸部交感神経を圧迫するとホルネル症候群(まぶたが下がるホルネル症候群を参照)を起こし、痛みやしゃっくりを生じます。癌が進行して肺に転移すると息切れがしますし、肝臓に転移すると発熱と腹部の腫れがみられ、骨に転移すると激しい痛みを伴います。脳にまで癌が転移すると頭痛、錯乱、けいれん発作が現れ、腸に転移すると嘔吐、血便、鉄欠乏性貧血がそれぞれ認められます。腎臓に転移した場合は、しばしば症状がありません。 食道癌の末期になると食道が完全に閉塞します。その結果、飲みこむことがまったくできなくなり、唾液まで口の中にたまるようになるため大変苦痛です。

食道癌が疑われた場合、最も確実な診断方法は、内視鏡を口から入れて食道の様子を観察する内視鏡検査です。検査中に食道の組織を採取して(生検)、その細胞を顕微鏡で調べます(ブラシ細胞診)。食道造影と呼ばれるX線検査(X線に映るバリウム溶液を飲んでから行う検査)でも、狭窄や食道外からの圧迫がわかりますが、この方法では粘膜の微小病変の検出は困難です。CT検査や超音波検査、超音波内視鏡と呼ばれる新しい画像診断技術を使い、より詳細に癌の広がりを調べることもあります。

 【治療法】
放射線療法と化学療法の併用療法の後に手術をすると治癒率が上がることもあります。
 ⇒ 食道の病気

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