Subject  : 食道の病気

カテゴリー: 健康・医療情報 


 食道の病気
胸やけ、ものが飲み込みにくくなる、ものを飲み込むときの痛み、時に胸骨の後ろあたりの痛みがあれば、食道炎の可能性があります。
食道炎とは、食道の炎症です。 特に多いのが逆流性食道炎で、胃酸などが 食道に逆流して食道の粘膜を障害し、炎症が起きたり潰瘍ができます。
胃酸の食道への逆流を防いでいる筋肉の力が低下すると、胃内容物が逆流すると考えられています。その他、熱すぎたり、冷たすぎる飲食物の摂取、異物を飲み込んでしまった、急性咽頭炎、扁桃腺炎、麻疹、肺炎、腹膜炎、腎盂腎炎など原因となって、食道に炎症が起こることもあります。

● 食道裂孔ヘルニア・逆流性食道炎
食道と胃の境界付近の筋肉がゆるんで、胃が上につり上がったように なった状態を食道裂孔ヘルニアと言います。
胃液や食べた食物が食道に逆流しやすくなり、げっぷが出やすいとか、 あるいは食道の炎症からくる胸やけ、胸痛といった症状を訴える ようになります。 老化にともない、中年以降のかたではかなりの割合で食道裂孔 ヘルニアがみられますが、手術が必要なほど進行する方はまれで、 多くは制酸剤や粘膜保護剤の服用で症状は軽快します。
● 食道静脈瘤
肝硬変が進行しすると、固くなった肝臓に血液が流れにくくなり、食道の静脈に迂回して流れるようになります。食道の静脈は本来そんな多量の血液が流れるようにはできていませんから、迂回した血液量が多くなると風船のようにふくらんで、時に破裂して大出血します。
原因となる肝硬変は治療することが非常に困難ですから、もし破れそうな食道静脈瘤がみつかったら内視鏡をつかってふくらんだ静脈をつぶしたり、手術で食道への血流を遮断したりします。最近では内視鏡の治療が進歩して、大出血をおこす患者さんの数は激減しました。
● 食道癌
食道は心臓や大動脈など重要臓器のおさまる縦隔という部位にあり、 以前は消化器の癌のうちでももっとも治療が困難な癌の一つでしたが、 検査方法の進歩による早期発見や手術の進歩で完治される方も とても多くなってきました。
手術は非常に大がかりになりますが、最近ではごく早期のものは内視鏡で切除可能になってきましたし、抗癌剤や放射線の治療もめざましい進歩を遂げています。度の強いお酒をたくさん飲む人やヘビースモーカーの方は発癌の危険性が高くなるといわれています。もし食物がつかえる、とか飲食の際にしみる感じがするといった症状があったら、すぐに専門医に相談 することをお勧めします。

 ⇒ 消化器系の病気

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