Subject  : サルコイドーシス

カテゴリー: 健康・医療情報 


 サルコイドーシス
 肺および肺外の多臓器に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を形成する原因不明の多臓器疾患
 若年と中年に好発し、両側肺門リンパ節、肺、眼、皮膚の罹患頻度が高いが、肝、脾、リンパ節、唾液腺、心、神経系、筋肉、骨やその他の臓器に罹患することもあります。

 臨床およびX線所見に加えて、罹患部位から採取した組織標本に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が存在すれば確実となります。既知の原因による肉芽腫と局所性サルコイドーシス反応は除外します。

 【症状】
 臓器別の罹患頻度は、胸郭内(肺門および縦隔リンパ節、肺95%以上)、表在リンパ節(10〜50%)、眼(40〜50%)、皮膚(15%)の順
1)呼吸器:咳、胸痛が7%の症例にみとめられるが、一般に著しい胸部異常陰影がみられても自覚症状に乏しい。
2)眼 :ブドウ膜炎および網膜病変としての網膜血管周囲炎や滲出性病変があり、症状としては両側性の霧視、羞明が多い。
3)皮膚: 次の3病変に大別される。
  ア)皮膚サルコイド:丘疹や結節性病変。
  イ)瘢痕浸潤型:外傷や手術後の瘢痕部に生じる結節性病変
  ウ)結節性紅斑:非特異疹
4)表在リンパ節:頸部、腋窩、鎖骨上窩、鼠径部などにリンパ節腫脹を見る。
無痛性で融合傾向はない。
5)心臓:心サルコイドーシスは、わが国での死因としてもっとも重要な位置をなす。刺激伝導障害、重篤な不整脈、心筋障害の所見を呈する。


 【診断と治療法】
 臨床およびX線所見に加えて、罹患部位から採取した組織標本に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が存在すれば確実となります。既知の原因による肉芽腫と局所性サルコイドーシス反応は除外します。
 免疫学的には、しばしば皮膚の遅延型過敏反応の抑制と、病変部位でのCD4陽性T細胞/CD8陽性T細胞比の増加がみられます。B細胞活性化を示唆する所見もときに認められ、その一つとして、血清アンジオテンシン変換酵素(SACE)活性の上昇、Gaの取り込み増加、Ca代謝の異常、蛍光血管造影所見の異常があります。

 副腎皮質ホルモン剤は症状を改善させ、肉芽腫形成を抑制し、SACE値とGaの取り込みを正常化します。
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