Subject  : 悪性黒色腫(メラノーマ)

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 悪性黒色腫(メラノーマ;melamoma)
 表皮基底層のメラノサイト、もしくはほくろ(色素性母斑)の細胞由来と考えられています。 人体を被覆する20億を越えるメラニン生成細胞のどれかに多段階癌化が起きると、 きわめて増殖破壊能および転移能の強い腫瘍である悪性黒色腫が発生します。

原因は、 紫外線や機械的刺激の関与が考えられています。また、先天性の巨大な色素性母斑(黒あざ)内に悪性黒色腫が発生することがあることも知られています。

 【症状】
種類 メモ
悪性黒子型黒色腫
八ッチンソン型
高齢者の顔面に多い型です。境界が不正で、色調もまだらな黒褐色の平らな色素斑で、ゆっくりと成長します。予後も他の型に比べて少しよいようです。
表在拡大型黒色腫
pagetoid melanoma
全身どこにでも発生します。扁平に軽度隆起し、境界も不整になり、色調も濃淡のまじったまだら状になります。
結節型黒色腫
nodular melanoma
深黒色ないし乏色素沈着性の結節となり全身どこにでも発生します。速い成長をし、早期に局所リンパ節転移をおこす、悪性度が高いといえます。
悪性青色母斑
malignant blue nevus
細胞性青色母斑と呼ばれる灰青色子局面 に続発する真皮内メラノサイト性黒色腫をいう。
末端黒子型黒色腫 四肢末端、即ち手のひら、足の裏、爪部に発生します。日本人に比較的多いとされ、特に足の裏に好発します。はじめは扁平な黒褐色の色素斑から発生し、色調が一部濃くなったりまだらになります。色素斑内に隆起や結節が出現することもあります。 爪でははじめ、黒褐色の縦の色素線状が爪に見られるようになり、拡大してきます。


 【治療】
 外科的広範囲切除が原則です。病期によってリンパ節郭清を行います。その他、化学療法、免疫療法を組み合わせて行います。一般に放射線療法はあまり効果がないため、行われることはあまりありません。インターフェロンや抗黒色腫クローン抗体なども行われます。  手術の前に、腫瘍の深さを顕微鏡下で調べて、病期を決定するために生検をします。通常の皮膚腫瘍であれば一部を切り取って調べますが、悪性黒色腫を疑う場合は、腫瘍を周りの正常組織を少し含めて全切除して、組織を顕微鏡で調べます。切除した皮膚欠損部は一旦人工皮膚などで覆っておきます。悪性黒色腫は転移しやすく悪性度が非常に高いため、腫瘍内へメスを入れることは転移を起こしやすくするとされ、禁忌となっているからです。深さが決定したら、なるべく早期に拡大切除を行います。  あるいは臨床所見上あきらかに黒色腫と診断され、結節状など腫瘍の厚さがあるものは、生検せずに初めから拡大切除を行うことがあります。
 ⇒ 皮膚がん

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