Subject  : 食道裂傷、破裂と穿孔

カテゴリー: 健康・医療情報 


 食道裂傷、破裂と穿孔
食道裂傷は、食道壁を完全に破るには至らない裂傷のことです。

食道の破裂と穿孔は、食道壁が完全に破れた状態です。穿孔は明らかな境界があるもの、破裂は明らかな境界がないものをいいます。
食道の破裂と穿孔は、激しい嘔吐によって起こります。 (食道内に過剰な圧力がかかる)
穿孔は、内視鏡検査(柔軟な観察用チューブで食道を調べる検査)や、口または鼻から器具を挿入するその他の検査でも起こることがあります。食道に破裂や穿孔が起こると、食道の外側である胸部に炎症が起き、肺を覆っている胸膜の層の間に体液が入りこみます(胸水)。食道が完全に破れた場合、特に破裂の場合は、死亡リスクが非常に高くなります。食道を修復する手術と周囲の体液などを排出する処置がただちに行われます。

 【症状】
食道裂傷の症状は、激しい嘔吐、むかつき、しゃっくりの際に食道下部や胃上部に裂傷ができることがあり、マロリー‐ワイス症候群と呼ばれています。最初に現れる症状は、裂けた食道の血管からの出血です。マロリー‐ワイス症候群は、消化管上部の出血原因のおよそ5%を占めています。

食道が破裂した場合などは失神を起こすこともあります。食道が破裂すると、食道内の血液と食べものが散乱して縦隔(胸部の空間で、前後は胸骨から脊柱まで、上下は胸腔の入り口から横隔膜までの部分)を汚染します。

 【診断と治療】
食道裂傷の診断には食道鏡検査または血管造影(アンギオグラフィ)が行われます。この裂傷は、通常のX線検査では検出できません。
ほとんどの出血は自然に止まりますが、出血している血管を手術で結紮(けっさつ)しなければならないこともあります。また、血管造影で観察しながら、バソプレシンやエピネフリンなどの薬を注入して出血している血管への血流を減らし、出血を抑えることもあります。
 ⇒ 消化器系の病気

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