Subject  : 穿通と穿孔

カテゴリー: 健康・医療情報 > 


 穿通
 潰瘍は胃や十二指腸(小腸の最初の部分)の筋層を通過して、肝臓、膵臓などの隣接臓器に及ぶことがあります。穿通すると、刺すような強い持続性の痛みが起こります。痛みは実際の部位と異なる場所で感じられることもあります。たとえば、十二指腸潰瘍が膵臓に達するとしばしば背部痛が起きます。姿勢を変えると痛みが強くなることもあります。薬で治らない場合は外科手術が必要になります。
 穿孔
 十二指腸の前面や、まれに胃の前面にできた潰瘍が前壁を貫通して、腹腔内に通じる開口部が形成されることがあります。その結果、急に強い痛みが生じ、その痛みが持続します。痛みはさらに腹部全体に広がります。片方の肩あるいは両肩にも痛みが生じ、深く呼吸すると痛みが激しくなります。姿勢を変えると痛みが増すので、穿孔を起こした人は体を動かさないように横たわっていようとします。腹部に触れると圧痛があり、深く押してから急に戻すと圧痛が増します(これを反跳痛といいます)。高齢者、ステロイド薬を服用している人、重い病気がある人では症状が幾分軽い傾向があります。発熱は腹腔内感染症が起きていることを示しています。穿孔は、放置しておくとショック状態を引き起こすことがあり、緊急の治療を要します。ただちに外科手術と抗生物質の静脈内投与を行います。
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