Subject   : 断層撮影(Tomography)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学 


 断層撮影(Tomography)
 断層撮影(Tomography)とは、人体の断面の画像を得る手法である。

 ● コンピュータ断層撮影(CT)
X線を使って、人体の360度方向からのデータを得、そのデータをコンピューター処理することにより断層像を得るものである。最近はらせん状に人体をスキャンするもの(らせんCTあるいはヘリカルCT)が主流となっている。単純なX線写真よりも被曝量が多いが、得られる情報ははるかに多い。

 ● リニア断層撮影
最も基本的な断層撮影法。X線発生装置は人体上を A 地点から B地点まで移動し、同時に受像部が B地点から A地点まで移動する。このときの焦点に診断したい部位が来るよう配置する。このとき、焦点面の上下はぼやけてほとんど写らなくなる。現在ではCTに置換され、ほとんど使われない。

 ● Poly断層撮影
複雑な断層撮影法。装置を円形・楕円形・8の字など様々に動かす。これも現在では CT に置換され、ほとんど使われない。

 ● 狭角断層撮影
リニア断層撮影から派生した手法であり、限定された弧を描くような動きをする。現在でも経静脈的尿路造影(IVU)の際の腎臓の視覚化に使われることがある。

 ● オルソパントモグラフィ(OPT)
あごのX線画像をあたかも骨を切り開いたかのように平面に撮影することができ、歯学分野でよく使われる。

 ● オプティカル・コヒーレンス・トモグラフィ(OCT)
コヒーレンス長が数十ミクロンと短い光源からの光を生体試料に照射し、生体試料の内部からの後方散乱光をヘテロダイン検出を用いて高感度に検出することにより、深さ方向の散乱強度プロファイルが測定されます。 さらに、このプロファイルを横方向に順次測定することによって、生体試料の断層画像が測定されます。OCTは、人体に害のない微弱な近赤外光を用いることと、数十ミクロンの高い空間分解能を有することから 様々な臨床応用が期待されており、世界各地で活発に研究がなされています。 Optical Coherence Tomography
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