Subject  : シンチグラフィーの種類

カテゴリー: 健康・医療情報 > 


 シンチグラフィーの種類
 シンチグラフィーとは、放射線を発するRI(放射性同位元素)剤を投与した際に 体から放出される放射線を、シンチカメラという機械でとらえ、コンピューター処理 して画像化する検査とのことです。

 ○ 骨シンチグラフィー
骨折、骨の炎症、癌が骨へ転移していないか、その他の骨の病気について行う検査です。
 骨シンチグラフィーはテクネチウム (99mTc) というラジオアイソトープを含んだ薬剤を注射して行う核医学検査です。この検査は注射した薬剤が、骨の代謝や反応が盛んなところに集まる性質を利用して、骨腫瘍や骨の炎症、骨折の有無などを調べます。  この検査は乳癌、肺癌、前立腺癌など治療前・治療後の経過確認する上で欠かせません。X線検査よりも早期に発見する事が出来ます。また、疲労骨折や骨粗鬆症に伴う骨折の診断においても大変役立ちます。

 ○ 心筋シンチグラフィー
心筋梗塞はないか、血流の少ないところはないか、心筋は正常に動いているか、心臓の働きを果たしているかなどを調べる検査です。

 心臓には冠状動脈という血管があり、この血管により心臓の各部分に血流が行き渡っています。この血管が急に詰まると急性心筋梗塞になります。また、運動した状態で血流が乏しい状態が続くと虚血性心疾患になってしまいます。このような状態を未然に防ぐため、また把握するために行われる検査です。
 また、心筋梗塞後の心臓の治療効果判定、心不全における度合い・予後評価なども検査することができます。。
使用RIは、99mTc-Myoview、」99mTc-MIBI、99mTc-PYP(急性心筋梗塞検査)、123I-BMIPP(心筋脂肪酸代謝検査)、123I-MIBG(心臓副交感神経検査)などです。

 ○ 脳血流シンチグラフィー
脳梗塞はないか、脳の血流が少ないところはないか、血流の多すぎるところはないかなどを調べる検査です。  脳血流シンチグラフィーは脳の各部位における血流状態や働きを見る検査です。CTやMRIではとらえられない早期の脳血管障害や神経症状の責任病巣などの検出、脳の機能評価に使われます。脳血流に異常のでる病気は沢山あり、この検査で脳梗塞、脳出血などの脳血管障害、精神疾患、てんかん、痴呆などの脳の病気の診断、病状の評価、治療効果判定に役立ちます。使用RIは、99mTc-ECD 、123I-IMP などです。

 ○ 肺シンチグラフィー
胸が痛くなったときに、肺血流を妨げる血栓の有無または、肺換気の度合いを調べるために行う検査です。  肺シンチグラフィーは肺血流分布を調べる検査、肺換気能を調べる検査があります。前者は肺血流シンチグラフィーといい、テクネチウム(99mTc)というラジオアイソトープを含んだ薬剤を注射して行う核医学検査です。後者は肺換気シンチグラフィーといい、81mKrガスというラジオアイソトープを吸引しながら行う検査です。
 肺血流シンチグラフィーはテクネチウムが肺の毛細血管に一時的にとどまる性質を利用して、分布状態を知ることで肺塞栓症、肺門型肺癌など調べことができます。また、肺塞栓症などの 治療効果判定にも使われます。  肺換気シンチグラフィーは81mKrガスを吸引することで、そのガスが肺の肺胞(肺の中の空気袋)に集まる性質を利用して、肺塞栓と慢性閉塞性肺疾患の鑑別診断や左右の肺換気能を調べることができます。

 ○ 肝機能シンチグラフィー
肝臓が正常の働きをしているか、どのくらい働いているかを調べる検査です。
 肝機能シンチグラフィーは、テクネチウム(99mTc)を肝臓に取り込まれる蛋白(GSA)と結合させた薬剤を注射して行う核医学検査です。注射をして時間的経過を観察する動態検査で、肝臓に摂取され長く留まる性質を利用して、『肝臓の機能』を調べます。  この検査は肝腫瘍などの切除術前における術後残肝機能予測、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変などの重症度チェック、肝予備能の評価に利用されます。また、肝腫瘍の鑑別診断にも行われるときがあります。

 ○ 腎シンチグラフィー
腎臓が正常に尿を作る働きをしているか、2つの腎臓で格差はないかを調べる検査です。
 腎シンチグラフィーはテクネシウム(99mTc)というラジオアイソトープを含んだ薬剤を注射して行う核医学検査です。形態検査、動態検査の2種類の検査方法があり、前者は腎に摂取され長く留まり尿中への排泄が少ない性質を利用して、腎臓の形態を調べます。後者は腎臓に速やかに摂取され、直ちに尿中に排泄される性質を利用して、左右腎機能を調べます。  これら検査は腎奇形、腎腫瘍、腎外傷、腎性高血圧症、尿路閉塞などの診断に使用されます。また、腎移植後の経過観察にも行われます。

 ○ 甲状腺シンチグラフィー
甲状腺が正常に機能しているか、形・大きさはどうか、癌ができていないかを調べるために行う検査です。
 甲状腺シンチグラフィーは甲状腺に特異的に集積するラジオアイソトープを含んだ薬剤を注射して行う核医学検査です。  甲状腺は体に大事なホルモンを生成します。その時にヨードを必要とします。この検査はこの性質を利用して甲状腺の形態診断、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、甲状腺腫瘍の診断などのために行われます。
 ⇒ 

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]