Subject : アデノ随伴ウイルスベクター(AAVベクター)
カテゴリー: 健康・医療情報 > 薬学
アデノ随伴ウイルスベクター(AAVベクター)
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アデノ随伴ウイルスベクター(AAVベクター)は増殖/非増殖のいずれの細胞にも遺伝子導入が可能であり、特に非分裂細胞においては長期間の目的遺伝子発現が可能です。アデノウイルスベクターやレトロウイルスベクターと比較して、免疫原性が低く、動物個体への遺伝子導入にも適しています。また、非病原性ウイルスであるため、P1レベルの施設でも取扱いが可能であり、安全で取扱いの容易なウイルスベクターとして広く使用されています*。
タカラバイオでは独自の技術を施した血清型1、2、5、6のAAV作製キット(AAVpro Helper Free System)、コントロールベクター作製キット、shRNA発現AAV作製キット、精製キット(AAVpro Purification Kit Maxi/Midi (All Serotypes)、またはAAVpro Purification Kit (AAV2))または、リアルタイムPCR法によるタイタ―測定キット(AAVpro Titration Kit (for Real Time PCR) Ver.2)などをご提供しています。
AAVの血清型について:
AAVには100を超える血清型が存在しており、血清型の違いによって宿主域やウイルスの持つ特徴が異なることが知られています。血清型2(AAV2)は古くから広く研究されてきた血清型の1つであり、宿主域が大変広いことが知られています。血清型1(AAV1)、血清型5(AAV5)と血清型6(AAV6)は、より高い組織指向性を持った血清型です。AAV1は筋肉、肝臓、気道、中枢神経系等、AAV5は中枢神経系、肝臓、網膜等、AAV6は心臓、筋肉、肝臓等への遺伝子導入効率が高いと言われています。
アデノ随伴ウイルス(AAV)を用いた血友病のイヌの遺伝子治療の10年間にわたる長期研究で、肝臓がんのリスクを上昇させる可能性のあるゲノム変化が見いだされたことを報告する論文があります。
<参考:https://www.nature.com/articles/s41587-020-0741-7>
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