Subject : 急性心筋梗塞(AMI)
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急性心筋梗塞(AMI)
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急性心筋梗塞(acute myocardial infarction: AMI)は、急激に血管内がプラークや血栓などで詰まり、冠動脈内の血流がなくなってしまい、心筋に栄養と酸素が十分に届かず、心筋そのものが壊死をおこした状態です。急性心筋梗塞が狭心症と異なるところは、血管が閉塞することよって心臓そのものに血液が流れなくなり、時間とともに心筋が死んでゆく(心筋の壊死)ことです。
新型コロナワクチン接種後の心筋炎と急性心筋梗塞の発症は、若い世代ほど心筋炎が多く、高齢になると急性心筋梗塞が多くなります。心筋炎は接種から2〜3日後に、心筋梗塞は接種当日に起こりやすいので要注意です
- ■ 症状
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突然の、締め付けられるような強い胸の痛み(主に胸の中央部〜胸全体)や胸部の圧迫感が心筋梗塞の代表的な症状です。狭心症の症状に似ていますが、安静にしても症状がおさまらない点が異なります。また心筋梗塞の随伴症状として、肩や腕、首に痛み、歯の痛みがひろがったりすることもあります。男性では冷や汗を伴う事が多く、女性は呼吸困難感や吐き気を催す事があります。高齢の方や糖尿病があるとはっきりとした症状を示さない事があり注意が必要です。心筋梗塞は治療が遅れる事で状態が悪化する為、このような症状が治らなければ救急車を要請する必要があります。
- ■ 治療法
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心筋梗塞発症後は、できる限り早く確実に治療を開始することが重要となります。当院では北摂地区を中心として近隣地域で発生した緊急の患者さんを24時間365日受け入れています。病院到着後に確定診断をつけてすぐに、緊急カテーテル検査、治療(経皮的冠動脈形成術:プライマリーPCIやバイパス手術)を行います。
心筋梗塞に対して多くの場合、カテーテル治療(プライマリーPCI)で閉塞した冠動脈を再び開通させる事が可能ですが、冠動脈を再開通させても、壊死した心筋は元には戻りません。その為、少しでも早く血流を改善させ心筋の壊死を減らすため、国立循環器病研究センターでは、多くのスタッフが24時間体制で待機しており、必要があれば救急外来からCCUを経ることなく直接カテーテル室に移動するなど工夫をしています。現在は、来院からカテーテル治療までの時間を30分程度にまで短縮できており、より早く治療をすることが大切です。
カテーテル治療が終わったら、CCU(心疾患集中治療室)において経験豊富なチームにより心不全や致死性不整脈、心破裂といった合併症に備えます。通常は1日から数日の間、ベット上の安静が必要となります。落ち着いてから、心臓の機能を回復させるために「心臓リハビリテーション」を行います。「心臓リハビリテーション」とは、身体機能の回復促進のための運動療法や心筋梗塞再発予防に向けて行われる生活指導、栄養指導、内服指導、禁煙指導、カウンセリングなどの包括的なリハビリテーションのことを指します。血圧測定や心電図検査を行ない、回復具合をモニターしながらリハビリを進めていきます。
<出典:>
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