Subject  : 嘔気(おうき)

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 嘔気(おうき)
 嘔気(おうき)は医療現場では悪心(おしん)と同じような意味で使われており、心窩部や前胸部の不快感をさします。嘔気が強くなると、上部消化管内の内容物を吐き出してしまう、嘔吐(おうと)を起こすこともあります。患者からの訴えとしては「ムカムカする」「気持ちが悪い」「吐きそう」といったものになるので、どうしても消化器疾患を先に思い浮かべてしまうことが多いでしょう。しかし、嘔気を起こす原因は消化器だけではなく、さまざまな疾患の「症状」として現れていることがあるのです。

 ■ 症状
〇中枢性 − 嘔吐中枢が直接刺激する
・頭蓋内圧亢進(出血、腫瘍、浮腫)
・髄膜炎(細菌性、無菌性、癌性)
・前庭系疾患(メニエール病、頭位変換、前庭炎など)
・偏頭痛
・乗り物酔い
・心因性(精神疾患、悪臭などによる刺激)

〇抹消性(反射性) − 迷走神経や交感神経を間接的に介して嘔吐中枢を刺激する
<消化器性> ・腸閉塞         ・肝炎
・虫垂炎         ・胆嚢炎
・胃腸炎         ・憩室炎
・膵炎          ・薬物(抗癌剤、毒物など

<全身性> ・電解質異常(ケトアシドーシス、低Na、高Ca)
・肝不全、腎不全
・妊娠
・重度の疼痛(心筋梗塞、尿管結石、胆石など)
・放射線暴露(放射線治療による)


 ■ 治療法
・頭蓋内圧亢進による悪心 →マンニトール投与、血腫除去術など、脳圧を下げる
・抗癌剤治療による悪心  →制吐剤と合わせて、抗癌剤投与量の減量を検討
・消化管の炎症による悪心 →抗生剤治療、絶食・補液による消化管の安静
・イレウスによる悪心   →絶食、抗生剤投与、必要に応じ胃管挿入、手術

<出典:>
 ⇒ 

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