フォークト―小柳―原田病（VKH）

　フォークト―小柳―原田病（以下、原田病）、 Vogt-koyanagi-harada syndrome（VKH)は眼、神経、聴覚、皮膚の症状を示す多臓器疾患である。 原田病の本当の原因はまだ分かっていませんが、全身にあるメラニン色素を持った細胞が、リンパ球によって破壊される病気です。メラニン色素のある眼（ぶどう膜）、毛髪、皮膚、耳、脳の髄膜などに症状が出てきます。この病気になる人には、遺伝的な素質をもっていますが、実際に発病するのはごく一部の人だけです。

【原田病の眼症状】

　原田病は、症状の程度に多少の左右差があっても、ほとんど両眼同時に発症します。眼の症状が起こる前に、発熱・頭痛、倦怠感などの風邪症状が先に現れます。発症初期には、網膜と脈絡膜の間に水がたまって網膜剥離が起こるため目がかすんだり見えにくくなったり、ものがゆがんで見えたりします。 【原田病の全身症状】

　全身的には、初期には頭痛、倦怠感、めまいや耳鳴り・難聴、髪の毛をさわるとぴりぴりした感じがする等の症状を起こすことがあり、慢性期には、頭髪の脱毛・白髪、皮膚の白斑を起こすことがあります。このため診断のために髄液検査や聴力検査も重要です。

【治療法】

　点眼薬は他のぶどう膜炎と同様に使いますが、それだけでは不十分な場合も少なくありません。原田病の治療には病気の初期にステロイド剤（副腎皮質ホルモン）の大量点滴投与が有効です。ただ投与量が少なかったり、症状が良くなったからと言って治療を中断してしまうと再発・再燃することがあります。

＜出典：難病情報センター＞

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