Subject  : バット・キアリ(Budd-Chiari)症候群(指定難病91)

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 バット・キアリ(Budd-Chiari)症候群(指定難病91)
 バット・キアリ(Budd-Chiari)症候群とは 肝臓から流れ出る血液を運ぶ肝静脈か、あるいはその先の心臓へと連なっている肝部下大静脈の閉塞ないしは 狭窄 によって、肝臓から出る血液の流れが悪くなり、門脈の圧が上昇し、門脈圧 亢進 症等の症状を示す疾患をいいます。

 【原因】
 肝静脈あるいは肝部下大静脈の先天的な血管形成異常や、後天的な血栓等が原因として考えられていますが、原因不明のものも約70%を占めており、何故この部分の血管が詰まりやすいのか、はっきりしたことはわかっていません。また、基礎疾患として、血液疾患、経口避妊薬の服用、妊娠・出産、腹腔内感染、 血管炎 、血液凝固異常等を合併している症例も多いといわれています。 最近、血液凝固異常に関する遺伝子変異の有無が注目されて、現在この点に関して重点的に研究が行われています。961

 【症状】
 バッド・キアリ症候群では、肝静脈や肝部下大静脈の閉塞ないし狭窄による症状と、門脈圧亢進症による症状があります。

 【治療法】
1)静脈の閉塞ないし狭窄に対して 諸検査で血栓が確認されれば、血栓を予防したり、溶解させるために 抗凝固療法 を行います。また、その病態に応じて、狭窄部のバルーンカテーテルによる狭窄部拡張術や、閉塞・狭窄を直接解除するような手術を選択します。
2)門脈圧亢進症に対して 食道や胃の静脈瘤が破れて出血した際には緊急の処置が必要です。放置すると出血のためショックとなり、場合によっては生命が危険にさらされる可能性があります。このような場合は直ちに最寄りの救急病院を受診し、点滴・輸血によりショックを治療予防します。内視鏡を使った静脈瘤からの出血に対する止血処置等を受けなければなりません。
3)静脈瘤に対する止血処置 薬物療法
バルーンタンポナーデ法
内視鏡的治療: 硬化療法 、 結紮療法
手術療法:食道離断術

<出典:難病情報センター>
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