Subject  : 非ジストロフィー性ミオトニー症候群(指定難病114)

カテゴリー: 健康・医療情報 > 


 非ジストロフィー性ミオトニー症候群(指定難病114)
 筋線維の興奮性異常による筋強直(ミオトニー)現象を主徴とし、筋の変性(ジストロフィー変化)を伴わない遺伝性疾患である。臨床症状や原因遺伝子から先天性ミオトニー、先天性パラミオトニー、ナトリウムチャネルミオトニーなどに分類される。筋強直性ジストロフィーは、同様に筋強直現象を示す関連疾患ではあるが、非ジストロフィー性ミオトニー症候群には含めない。

 【原因】
 先天性ミオトニーは塩化物イオンチャネル(CLCN1)の遺伝子変異による。優性遺伝をとるトムゼン病と劣性遺伝をとるベッカー病がある。一方、先天性パラミオトニー、ナトリウムチャネルミオトニーはともに優性遺伝性で、骨格筋型ナトリウムチャネルαサブユニット(SCN4A)の遺伝子異常による。

 【症状】
 外眼筋・顔面筋・舌筋を含む全身の骨格筋にみられる筋のこわばり(筋強直)が主症状である。手を強く握ったあと開きにくい(把握ミオトニー)、診察用ハンマーで筋肉を叩くと筋が収縮する(叩打ミオトニー)などが観察される。筋強直は痛みを伴うこともある。運動開始時に見られることが多く、先天性ミオトニーなどでは筋を繰り返し収縮させることにより筋強直が軽減するウオームアップ現象が見られることが多い。逆に悪化するパラミオトニー(paradoxical myotonia)は、先天性パラミオトニーで見られる。筋強直は寒冷で増悪することが多く、先天性パラミオトニーでは一過性の麻痺を来すこともしばしばである。筋肥大を伴いヘラクレス様体型となることもあるが、一方で進行性に筋萎縮・筋力低下を来す例もある。また、幼少期からの筋強直により関節拘縮、脊柱側弯などの骨格変形を伴うことがある。

 【治療法】
 対症療法のみである。メキシレチンなど抗不整脈薬、カルバマゼピンなど抗てんかん薬などが筋強直症状を緩和する。

<出典:難病情報センター>
 ⇒ 指定難病一覧

[メニューへ戻る]  [カテゴリー一覧]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]