Subject : 脊髄髄膜瘤(指定難病118)
カテゴリー: 健康・医療情報 >
脊髄髄膜瘤(指定難病118)
-
神経管の閉鎖障害により発症する疾病(神経管閉鎖障害)は、脊髄髄膜瘤、無脳症、脳留などから構成される。無脳症と脳留は過半数が自然流産するか、妊娠中絶をうけるか、出生しても 24 時間以内に死亡する。
広義の二分脊椎は顕在性二分脊椎(spina bifida aperta)と潜在性二分脊椎(spina bifida occulta)の2つの病態を包括する。脊髄髄膜瘤は前者に分類されるが、この2つの病態は、発生学的に相違するので、原因、臨床症状、治療法などを画一的に議論することは適切でない。神経管閉鎖障害は、妊娠6週(受精4週後)頃に発症する。妊娠前から葉酸を摂取すると神経管閉鎖障害の 50-70%を防止できることが判明している。
病態は水頭症、脊椎側弯、歩行障害、膀胱機能障害、排便障害などが主要な臨床症状であり、脳神経外科、整形外科、泌尿器科、小児科、リハビリテーション科などの包括的な治療を必要とする。
- 【原因】
-
栄養因子、環境因子、遺伝因子が3つのリスク因子とされている。約半数の症例では血清中の葉酸(ビタ
ミン B9)が不足して、ホモシステイン濃度が上昇し、DNA の合成が障害されて、上記の奇形が発症する。
- 【症状】
-
水頭症、Chiari II 奇形、歩行障害、褥瘡、尿失禁、膀胱機能障害、排便機能障害、知能障害などが発症す
る。
- 【治療法】
-
脊髄髄膜瘤の予防法は、妊娠前から葉酸を摂取することであり、発生率は 50-70%減少する。しかしなが
ら、全例を予防することは困難である。発症後は先天性奇形に基づく病態に対する対症療法が必要である。
例えば、生後 24 時間以内に背部に露出した脊髄病変部の閉鎖術が必要となる。その他には、脳室腹腔シ
ャント術、下肢の腱切り術、下肢のリハビリテーション、清潔間欠導尿法、膀胱砕石術、膀胱拡大術、膀胱
尿管逆流根治術、尿道スリング手術、人工尿道括約筋埋め込み術、順行性浣腸法などを含めた治療が必
要である。
<出典:難病情報センター>
⇒
指定難病一覧
[メニューへ戻る]
[カテゴリー一覧]
[HOMEへ戻る]
[前のページに戻る]