Subject  : 進行性多巣性白質脳症(指定難病25)

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 進行性多巣性白質脳症(指定難病25)
 多くの人に潜伏感染もしくは持続感染しているJCウイルスが、免疫力が低下した状況で再活性化して脳内に多発性の病巣( 脱髄病巣)をきたす病気です。
HIV感染により免疫機能が低下した患者さんや、血液系悪性腫瘍・膠原病・自己免疫疾患・臓器移植などの背景により免疫を抑制する治療を受けている患者さんに多くみられます。近年は一部の生物学的製剤や多発性硬化症の病態修飾薬の使用を背景としたPML発症もみられます。

 【原因】
 ヒトのポリオーマウイルス科に分類されるJCウイルスというウイルスです。このウイルスは通常多くの皆さんが感染していますが(日本人では健常者の70%以上)、何も症状を示しません。

 【症状】
 PMLの臨床症状は病名である「多巣性」を反映して多彩ですが、よく見られる初発症状としては片麻痺・四肢麻痺・ 認知機能 障害・失語・視覚異常などです。その後、初発症状の増悪とともに四肢麻痺・構音障害・ 嚥下障害 ・ 不随意運動 ・脳神経麻痺・失語などが加わり、無動無言状態(寝たきりの状態)に至ります。

 【治療法】
 JCウイルスに対する 特異的 で有効な治療はありません。そのため、PMLの治療は基礎疾患に伴う免疫能低下を回復/正常化を目指すことが主体となります。HIVを基礎疾患にしている場合はその治療を優先します。薬物治療が原因の場合は速やかな中止が求められます。免疫の改善やウイルスの増殖を阻止する薬で病気の進行を止める場合もありますが、症例によっては効かない場合もあります。近年、マラリアの治療薬であるメフロキンが有効であった報告もあり、多数例での検討が望まれます。

<出典:難病情報センター>
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