Subject  : 色素性乾皮症(指定難病159)

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 色素性乾皮症(指定難病159)
 色素性乾皮症は、日光過敏症状を呈し、露出部皮膚の乾燥、色素沈着を呈し、皮膚がんを高率に発生する遺伝疾患である。A〜G群、V(バリアント)型の8つの病型に分けられ、タイプにより様々な神経症状を来すこともある全身疾患である。

 【原因】
 現在A〜G群、V型の全ての原因遺伝子が判明している。A〜G群の遺伝子は、紫外線によって生じたDNA損傷を修復する過程に必要なタンパクを作り、V型の遺伝子は損傷乗り越え複製に必要なタンパクを作る。色素性乾皮症では、これらの遺伝子の欠損により、傷をもった遺伝子が増えてしまうことにより、発がん至ると考えられている。しかし、強い日焼け症状の出現、多形皮膚萎縮についての発症機序は不明である。また合併する神経症状の出現の理由も不明である。

 【症状】
 結節性硬化症の症状はほぼ全身にわたり、各症状の発症時期、程度も種々である。胎生期から乳児期に出現する心臓の横紋筋腫、出生時より認められる皮膚の白斑、乳幼児期から出現するてんかん、自閉症、精神発達遅滞、顔面の血管線維腫、乳児期から幼児期にかけて問題になることの多い脳腫瘍、眼底の過誤腫、小児期から思春期に著明になる腎の血管筋脂肪腫や嚢腫。20歳以上の特に女性に問題となる肺LAMや肺のMultifocal micronodular pneumocyte hyperplasia(MMPH)、さらに40代以降に増加する消化管の腫瘍や子宮の病変などがある。その他爪囲線維腫やシャグリンパッチ、歯のエナメルピッティングや骨硬化像、肝の腫瘍や卵巣膿腫などもしばしば認められる。合併症として、脳の腫瘍、特にモンロー孔付近の腫瘍が急速に増大し(SEGA)モンロー孔をふさいで水頭症を呈することがある。血管成分の多い腎の血管筋脂肪腫が増大すると、時に破裂を引き起こすことがある。また、腫瘍が増大してくると、時に悪性化が生ずることもある。肺LAMのために気胸を繰り返すことがある。

 【治療法】
 根本的治療法はいまだ確立されておらず、皮膚科、小児科・神経内科、眼科、耳鼻科、整形外科、歯科、泌尿器科など多診療科の医師がチームを組んで、遮光指導、皮膚がんチェック、補聴器装用、リハビリ指導などの患者ケアにあたる。家庭、学校を含め日常生活空間で窓ガラスに紫外線カットフィルムを貼る。外出時には、帽子、衣類、サンスクリーン剤による厳重な遮光を行う。個々の皮膚がんはステージ、発症部位、個数等に応じて外科的切除、抗がん剤の外用などを選択する。

<出典:難病情報センター>
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