Subject  : 肥厚性皮膚骨膜症(指定難病165)

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 肥厚性皮膚骨膜症(指定難病165)
 ばち指、長管骨を主とする骨膜性骨肥厚、皮膚肥厚性変化(頭部脳回転状皮膚を含む)を3主徴とする遺伝性疾患である。1868年、Friedreichが3徴を有する症例を最初に記載した。その後、種々の名称で報告されてきた当該疾患は1935年Touraineらによって臨床亜型を用いた本症の概念が確立した。

 【原因】
 Uppalら(2008)が、HPGD(PGE2分解酵素)遺伝子、Zhangら(2011)がSLCO2A1(プロスタグランジン輸送蛋白)遺伝子の遺伝子異常を見出し、PGE2過剰症であることが明らかになった。海外例では、HPGD遺伝子変異例は、先天性ばち指家系が報告されている、SLCO2A1に比べ乳幼児期から動脈管開存や、頭蓋骨癒合遅延といった特徴的な症状を示す。

 【症状】
 男性症例では思春期に発症し、3主徴がおよそ20歳までにそろう。 多岐にわたる合併症があり、皮膚では脂漏・油性光沢(69%)、ざ瘡(65.5%)、多汗症(34.5%)、眼瞼下垂、リンパ浮腫。関節症状としては関節痛(51.7%、関節腫脹(42.4%)、関節水腫(24.2%)など。その他、胃・十二指腸潰瘍(9.4%)、非特異性多発性小腸潰瘍症、低カリウム血症(9.1%)、貧血(18.2%)、発熱(15.6%)などがある。

 【治療法】
 対症療法が試みられている。一時期関節症にコルヒチンが用いられたが、効果は十分ではなかった。最近では症例報告でビスフォスフォネートと関節滑膜除去術などが試みられている。顔面皮膚皺壁や脳回転様頭皮には形成外科的なアプローチが試みられている。今のところ発症を遅らせるような治療法はない。

<出典:難病情報センター>
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