Subject  : 弾性線維性仮性黄色腫(指定難病166)

カテゴリー: 健康・医療情報 > 


 弾性線維性仮性黄色腫(指定難病166)
 弾性線維性仮性黄色腫(PXE: Pseudoxanthoma Elasticum) 弾性線維性仮性黄色腫(PXE)は、弾性線維に変性・石灰化が生じ組織障害を引き起こす。そのため皮膚、眼、心・血管、消化管に多彩な症候を呈する常染色体劣性の遺伝性疾患である。

 【原因】
 弾性線維性仮性黄色腫(PXE)の原因遺伝子ABCC6は16番染色体に位置し、その遺伝子産物はMRP6とよばれる。本分子は輸送膜タンパク質ABC群に属し、この群の分子異常は代謝性疾患をはじめとした種々の疾患の原因となっている。しかしながらMRP6は現在のところ生理的に輸送される基質が判明しておらず、MRP6分子異常が弾性線維に変性・石灰化をもたらす詳しい機構は不明な点が多い

 【症状】
 弾性線維性仮性黄色腫(PXE)は、以下の症状を呈する。
  皮膚:仮性黄色腫:多発性扁平黄白色丘疹・局面が、頚部、大関節屈側部位に10代より生じ、徐々に増悪する。ときに皮膚の弾性が失われ太い皺、弛緩した皮膚となる。その他の症状:変性した弾性線維の経表皮排出により、ざ瘡様丘疹、蛇行性穿孔性弾性線維症などがみられる。
眼:網膜に亀裂が入り、オレンジ皮様変化(梨子地眼底)、血管様線条(色素線条)を呈する。引き続き同部位に出血・血管新生が発生し、視野欠損、視力障害を生じる。
心・血管:血管壁の中膜弾性板に変性・石灰化を生じ、血管内腔の狭小化による虚血障害を呈する。間歇跛行、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、消化管出血などを発症する

 【治療法】
 1)皮膚:皮膚病変を整容的また精神的問題と捉え悩んでいる患者が多い。しかしながら皮膚病変を完全に消失させる確実な方法は無いため、希望に応じて、形成的手術を含めた対症療法を行う。
 2)眼:出血・血管新生に対しレーザー治療を試みるも、効果は一定しない。薬物療法は未だ困難である。
 3)心、血管:動脈硬化が多発性、また広い範囲に起こるなどの問題に対して、動脈硬化症に準じた薬物治療、ステント留置、血管置換術など対症療法を行う。
 4)消化管出血:動脈性出血に対し、内視鏡による止血術など対症療法を行う。

<出典:難病情報センター>
 ⇒ 指定難病一覧

[メニューへ戻る]  [カテゴリー一覧]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]