Subject  : 硝子体出血(しょうしたいしゅっけつ)

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 硝子体出血(しょうしたいしゅっけつ)
 眼球はカメラと同じような構造になっていて、外界から光が目の中に入るとレンズ(水晶体)で屈折して目の奥のフィルム(網膜)に焦点の合ったきれいな画像が写ることでものを見ています。カメラのレンズの後面からフィルムまでは空間がありますが、目の場合にはその空間には硝子体という卵の白身のようなドロッとしたゲル状の物質が入っています。その奥にフィルムにあたる網膜があります。カメラの中に埃が多く入ると埃が影を落してフィルムに光が届かない分、きれいな画像を得られなくなります。それと同様に、硝子体が混濁すると網膜に光が届かず、きれいな画像を得られなくなり、暗く感じられたりかすんで見えたり一部見えない部分が出たり、視力が低下します。

 【原因】
 硝子体出血は網膜の血管が何らかの理由で破れて眼内の硝子体腔に出血が溜まった状態のことをいいます。出血は1〜3ヶ月でゆっくり吸収されることもありますが、残存する場合もあります。出血は光を通しませんので、出血が残存していると全体的に暗く、もやがかって感じられたり、黒い物体が浮遊しているように見えたり、視力が低下したままになってしまいます。吸収されない出血を取り除くには手術しかありません。
硝子体出血の原因は様々ですが、新生血管からの出血で起きることが多いです。
 A:網膜静脈(分枝)閉塞症:網膜血管が何かの理由で詰まり血管が破れ出血。
 B:加齢性黄斑変性:年齢的変化で中心部の黄斑部からの出血。
 C:糖尿病網膜症:糖尿病によるもの。
 D:裂孔原性硝子体出血:裂孔形成時に血管が破れ出血。
 E:網膜血管腫:網膜血管腫からの出血。
 F:網膜血管炎:網膜血管の炎症からの出血

網膜や脈絡膜に「新生血管」といわれる非常に脆い異常血管が発生することがあります。新生血管が硝子体まで伸びて破れると、硝子体出血が起こります。

 【症状】
 硝子体出血が起こると、糸くずや虫などが浮いているように見える飛蚊症が現れることが多いです。出血が濁りとなって視界に現れるためです。
出血の量が多いと、視力低下、霧視、影のようなものが見える、暗く見える、などの症状が現れます。  

<出典:>
 ⇒ 目の症状と病気

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