Subject : ATR-X症候群(指定難病180)
カテゴリー: 健康・医療情報 >
ATR-X症候群(指定難病180)
-
ATR-X(X連鎖αサラセミア・精神遅滞)症候群は、X染色体に局在するATRX遺伝子を責任遺伝子とする、X染色体連鎖性精神遅滞症候群の一つ。男性で発症し、重度の精神運動発達遅滞、αサラセミア(HbH病)、特徴的な顔貌、外性器異常、骨格異常、独特の行動・姿勢異常を特徴とする。
- 【原因】
-
ATRX遺伝子がコードしているATRXタンパクは、クロマチンリモデリングタンパクと考えられている。ATR-X症候群においては、エピジェネティクス制御機構の破綻による、αグロビン遺伝子を含む複数の遺伝子発現異常が多彩な症状を呈する原因と想定されているが、そのメカニズムは不明である。
- 【症状】
-
(1)精神運動発達の遅れ、(2)特徴的顔貌、(3)外性器異常、(4)骨格異常、(5)特徴的な行動・姿勢の異常:自分の口に手を入れて嘔吐を誘発、斜め上を見上げ、手のひらを上に向け、顎を突き上げる、あるいは首をしめる仕草を好む、(6)自閉症的な症状:視線を合わせにくい、常同運動、(7)消化器系の異常:胃食道逆流、空気嚥下症、イレウス、便秘、(8)検査所見:αサラセミア(末梢血液のBrilliant Cresyl Blue染色によるゴルフボール様に染色される封入体を含む赤血球の存在)などを認める。
- 【治療法】
-
対症療法が主体となる。
てんかんに対しては抗けいれん薬の投与を行う。嚥下障害に対しては理学療法、経管栄養、胃瘻造設などの対応が必要となる。胃食道逆流に対しては手術を要する。停留精巣に対しては手術を要する。精神運動発達に対しては理学療法や作業療法、言語療法を要する。生活全般において、生涯、支援を必要とする。先天性心疾患に対しては手術あるいは内科的治療、呼吸障害に対しては酸素投与、気管切開、人工呼吸などを考慮する。
<出典:難病情報センター>
⇒
指定難病一覧
[メニューへ戻る]
[カテゴリー一覧]
[HOMEへ戻る]
[前のページに戻る]