Subject : ロスムンド・トムソン症候群(指定難病186)
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ロスムンド・トムソン症候群(指定難病186)
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ロスムンド・トムソン症候群は、小柄な体型、日光過敏性紅斑、多形皮膚萎縮症、骨格異常、若年性白内障を特徴とする常染色体劣性の遺伝病である。類縁疾患としてラパデリノ症候群、バレー・ジェロルド症候群があるが、同じ遺伝子座に異常を認めることから現時点では当該疾患に含めて取り扱う。
- 【原因】
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DNAの複製・修復に関与するヘリカーゼタンパクRecQL4の異常により、発症する。病因遺伝子は明らかになっているが、その機能については、不明な点が残されている。
- 【症状】
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特徴的な皮膚所見が乳児期から認められる。浮腫性紅斑から毛細血管拡張、皮膚萎縮、色素沈着を来す。特に、日光に暴露される箇所に強い。水疱を形成することもある。疎な毛髪、眉毛が認められる。前頭部の突出、鞍鼻などの顔面や拇指、橈骨の欠損など骨格の異常を示す。爪の形成不全がある。歯の異常も伴う。両側性の若年性白内障、生下時からの低身長、性腺機能低下も伴う。知的には正常なことが多い。さらに、癌腫(特に、骨肉腫、皮膚扁平上皮癌)を合併することが多い。皮膚症状を認めない場合をラパデリノ症候群、頭蓋骨早期癒合、狭頭、短頭などを来す場合をバレー・ジェロルド症候群としている。
- 【治療法】
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皮膚科、眼科、整形外科、小児科などが連携して治療にあたる必要がある。皮膚病変に関しては日光暴露をさける。皮膚委萎縮症部位のレーザー治療により、毛細血管の拡張は改善する。白内障に対しては外科的治療が行われる。齲歯が起きやすいため、口腔内病変を定期的にチェックする。骨格の異常に対しては、対症療法が主体となる。また、骨肉腫の発症を含めた注意深い観察が必要である。定期的な検診により癌腫の発生を早期に発見し、外科的切除、抗がん剤による治療を行う。
<出典:難病情報センター>
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