Subject  : 歌舞伎症候群(指定難病187)

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 歌舞伎症候群(指定難病187)
 1981年に我が国で見いだされた先天異常症候群である。患者の切れ長の目をもつ顔貌が歌舞伎役者の隈取に似ることから歌舞伎症候群と命名された。国内外から約400例の報告があり、推定罹病率は1/32,000程度とされている。ほとんどが孤発例で家族例は極めて少数である。

 【原因】
 臨床的に歌舞伎症候群と診断された患者の約70%にKMT2D遺伝子(MLL2遺伝子)の変異が認められる。KMT2D遺伝子(MLL2遺伝子)はヒストンメチル化酵素(H3K4)であり、歌舞伎症候群はヒストンメチル化異常症と考えられる。KDM6A遺伝子の変異を有する患者も報告されている。

 【症状】
 主な症状として以下の様なものが挙げられる。
(1) 特徴的な顔貌(100%)
下眼瞼外側1/3の外反・切れ長の眼瞼裂(ほぼ100%)、外側1/2が疎な弓状の眉、先端がつぶれた鼻、短い鼻中隔、突出した大きな耳介変形
(2) 骨格系の異常(92%)
指短縮(特にV指、中節骨短縮)、脊柱側弯、椎体矢状裂、肋骨異常など
(3) 軽度〜中等度の精神発達の遅れ(92%)
(4) 生後始まる成長障害(低伸長)(88%)
(5) 皮膚紋理異常(90%)
指尖部の隆起(finger pad)

 【治療法】
 てんかんに対しては必要に応じて薬物療法、心疾患に対しては必要に応じて手術や薬物療法を行う。

<出典:難病情報センター>
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