Subject  : 第14番染色体父親性ダイソミー症候群(指定難病200)

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 第14番染色体父親性ダイソミー症候群(指定難病200)
 第14番染色体父親性ダイソミー症候群は、14番染色体長腕の32.2領域(14q32.2)に存在するインプリンティング遺伝子の発現異常により生じる。羊水過多、小胸郭による呼吸障害、腹壁異常、特徴的な顔貌を示す。治療法は未確立で、対症療法が中心となる。

 【原因】
 過剰発現となり、母性発現遺伝子の発現が消失することにより疾患が生じる。父性発現遺伝子の過剰発現及び母性発現遺伝子の消失を引き起こす遺伝学的原因としては母親由来アレル上の14q32.2インプリンティング領域を含む微小欠失、14番染色体がともに父親に由来する第14番染色体父親性ダイソミー (UPD(14)pat)、UPD(14)patも微小欠失も認めずメチル化可変領域の過剰メチル化を示すエピ変異がある。微小欠失、ダイソミーは染色体構造異常であるが、エピ変異のメカニズムは不明である。

 【症状】
 胎児期は、羊水過多を認める。羊水過多は、妊娠中期から始まり複数回の羊水穿刺を必要とする場合が多い。胎盤の過形成も認められる。出生後はベル型と形容される小胸郭による呼吸障害が認められ、ほとんどの症例で数か月にわたる人工呼吸管理を必要とするが経過とともに胸郭異常は改善する。また、臍帯ヘルニアや腹直筋の離開といった腹壁の異常を認める。前額部突出、眼瞼裂の縮小、平坦な鼻梁、小顎といった特徴的な顔貌を示す。多くの症例で哺乳不良が認められる。長期生存例では精神発達の遅れを認めている。

 【治療法】
 能となるが、年余にわたり継続を要する場合もある。巨大な臍帯ヘルニアに対しては外科的治療が選択される。

摂食障害と呼吸障害が生命予後に影響を与える。

<出典:難病情報センター>
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