Subject  : 活性汚泥(activated sludge)

カテゴリー : 環境 


 活性汚泥(activated sludge)
 活性汚泥とは、汚水を浄化する機能を持ち、沈降性の優れた微生物の塊(フロック)です。細菌や原生動物など多種類の好気性微生物が数多く含まれています。

汚水を曝気し続けると、空気中や汚水などから入り込んで、これらの微生物は自然に増殖してきます。しかし、汚水を浄化する適切な微生物にするためには、適切な曝気量や有機物量が必要です。
汚水の滞留時間は、曝気槽の中が何日で新しい汚水と入れ替わるかを表す値で、曝気槽の容積を1日あたりに流入する汚水および希釈水の量で割ることで求めることができます。
汚水の滞留時間は、下水処理では数時間というものもありますが、畜舎汚水のような高濃度のものを処理する場合は数日を要します。
活性汚泥は、汚泥を沈殿させた上澄みを処理水として出すため、曝気槽に入ったSSは、微生物に分解されるか、水に浮くかしない限り、汚泥の一部として堆積していきます。このため、SSが蓄積していくと、汚泥に占める汚水由来のゴミの割合が高くなり、見かけ(MLSSやSV)よりも実際は微生物が少なくなってしまいます。

● SRT (汚泥滞留時間、sludge retention time)
活性汚泥設備内の汚泥が排泥によって何日で新しい汚泥と入れ替わるかを表す値で、活性汚泥設備内にある汚泥量を1日当たりに引き抜く余剰汚泥量で割ることで求めることができます。
具体的には、
 SRT(日)=曝気槽、沈殿槽、返送汚泥管の汚泥量 ÷ 1日当たりの余剰汚泥量
一般に3日から6日の値になります。SRTが長いと汚泥が古くなって活性が低下することがあります。また、無機物も蓄積してきます。

● SS (浮遊物質濃度、suspended solids)
水の濁りを示す重要な指標の一つ。水に含まれる粒子を孔径1μmのガラス繊維ろ紙でろ過し、その粒子の乾物重量(mg/Lまたはppm)で表します。 透視度から推定値を得ることもできます。 BOD、CODと深い関連性を持ち、また、汚泥生成量にも関係します。

● SV(活性汚泥沈殿率、sludge volume)
活性汚泥槽の活性汚泥の状態を知るための指標です。非常に簡便に測定でき、汚泥の沈降性や量を知ることができます。一般にSVと呼ぶときは、SV30のことを指します。
SV30(えすぶいさんじゅう)は、曝気槽混合液を1Lのメスシリンダーに1L入れ、30分静置した後の沈殿汚泥の容積(ml)の割合(%)です。例えば、沈殿した汚泥と上澄みの境目が300mlのところであれば、SV30=300ml÷1000ml×100=30%となります。曝気槽混合液は、連続式ならば曝気槽の最後のところ付近を、回分式ならば汚水を投入して3時間以上曝気したものを曝気中に採取してください。
一般にSV30を70から100倍するとMLSSの値になります。

● SVI (汚泥容量指数、汚泥容量指標、SVI、sludge volume index)
活性汚泥の沈降性を示す指標。1gの活性汚泥が占める容積をmlで表し、SVI=(SV×10,000)/MLSSの式で算出されます。 SVIは、活性汚泥を30分間静置した場合に、1gのMLSSの占める容積をml数で示したもので、SVI=100とは、活性汚泥1gが100mlの容積を占めることを表しています。 通常の曝気槽では、50から150が適切な値であり、200以上だとバルキングしている状態であることを示します。

● MLSS (活性汚泥浮遊物質、mixed liquor suspended solids)
活性汚泥槽の汚泥量を表す値です。MLSSは活性汚泥液をSSと同じ手順で測定すれば求めることができます。 一般にSV30の値を70から100倍した値になります。 一般に2,000 mg/L以上の値が必要です。

● MLVSS (活性汚泥有機性浮遊物質、mixed liquor volatile suspended solids)
MLSSで残った粒子の強熱減量(VS)をmg/Lで表わしたものです。MLSSの有機物量を表すことから、活性汚泥法における曝気槽混合液の微生物量をMLSSよりも正確に示す指標として用いられます。
 ⇒ 

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]