Subject  : むし歯予防(フッ素とシーラント)

カテゴリー: 生活情報


 むし歯予防(フッ素とシーラント)
むし歯予防の鍵を握るのは、
 (1)口の中を清潔に保つ、
 (2)特定の食品への注意、
 (3)フッ素の利用、
 (4)シーラントによる予防治療、
 (5)抗菌治療
の5つの戦略です。

● フッ素
フッ素は、特にエナメル質の酸への抵抗力を高めて、むし歯をできにくくする効果があります。歯が成長して硬くなる11歳までの間フッ素を飲んでいるとむし歯予防に役立ちます。水道水へのフッ素添加法は、小児にフッ素を与える最も効率良い方法ですが、フッ素が過剰に含まれた水道水を飲むと、歯がまだらに白濁したり変色したりするフッ素症が起こります。小児が飲む水にフッ素量が十分に含まれていない場合は、フッ化ナトリウムのドロップ剤や錠剤が与えられます。また、むし歯ができやすい年齢の人の歯には、歯科医師がフッ素溶液を直接塗る予防治療も行われます。フッ素入り練り歯磨きやフッ素濃縮うがい液は、小児だけでなく成人にもむし歯予防の効果があります。

● シーラント
シーラントは、特に歯ブラシの毛先が届きにくい奥歯の小窩裂溝(歯面の細い溝)のむし歯予防に効果があります。シーラントを塗る前にはまず完璧に歯面のクリーニングが行われます。その後、シーラント材が歯に接着しやすいように、エナメル質面の酸処理(歯面に酸を塗ってわざと凹凸にして、接着力を高める方法)が行われます。次に、歯面の小窩裂溝の内部や表面に、液状の歯科用レジンのシーラント材を入れます。このシーラントが固まって溝をふさぐと食べものが溝の中へ入りこめなくなるため、食べものを餌にしていた溝内部の細菌が酸をつくり出せなくなります。シーラントの約90%は1年後まで、60%は10年後でも歯に残っています。シーラントの修復や交換時期は、歯の定期健診の際にチェックされます。

● 抗菌治療
むし歯が特にできやすい人には、むし歯の原因菌を抑えるための抗菌治療が必要です。まずむし歯に侵された部分を取り除き、歯のすべての小窩裂溝をふさぎます。次に、強力な抗菌効果があるうがい液(クロルヘキシジン)を数週間使用して、歯に残った細菌を全滅させます。むし歯の原因菌がいなくなって、代わりにより無害な細菌が住むようになれば成功です。むし歯の原因菌を増やさないために毎日家庭でフッ素洗口液によるうがいを行い、キシリトールを含むガムをかむとよいでしょう。キシリトールは、プラークに住む細菌を抑える作用がある甘味料です。
 ⇒ 歯のクリーニング


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