Subject : 金属結合
カテゴリー : 学びの館 > 化学
金属結合
金属結合(きんぞくけつごう, Metallic bond)とは、金属で見られる化学結合である。金属原子はいくつかの電子を出して陽イオン(金属結晶の格子点に存在する正電荷を持つ金属の原子核)と、自由電子(結晶全体に広がる負電荷をもった物)となる。規則正しく配列した陽イオンの間を自由電子が自由に動き回り、これらの間に働くクーロン力(静電気力、静電引力)で結び付けられている。自由電子があるため、電気伝導や熱伝導がよい。
金属の場合、最外殻電子など電子の一部は特定の原子核の近傍にとどまらず結晶全体に非局在化しており、この様な状態の電子を自由電子と呼ぶ。金属の電気伝導性や熱伝導度が高いことは自由電子の存在に起因していると考えられ、それ故、自由電子は伝導電子とも呼ばれる。自由電子の分子軌道はほぼ同一のエネルギー準位のエネルギーバンドを形成し、電子ガスとも呼ばれるような自由電子の状態を形成する。電子は光子と相互作用するので、金属の持つ特性である反射率、金属光沢は自由電子のエネルギーバンドの状況を反映していると考えられている
自由電子の量子力学的説明は記事 自由電子やバンド理論に詳しい
金属結合における結合エネルギーは核外電子に参加する自由電子の範囲で異なり、数十〜数百kJ/molの値をとる。例えばアルカリ金属の場合、閉殻電子は自由電子に関与せず、もっぱら価電子(最外殻電子)が金属結合に関与している。そのため結合エネルギーも弱く、80〜160kJ/mol程度である。一方、タングステンなどは結合エネルギーは850kJ/molにも達するが、これは内殻電子も結合に関与する為であると考えられている。
● 金属結晶の特徴
1.自由電子があるため、電気伝導や熱伝導がよい。
2.一般に融点が高く、展性(たたくと薄く広がる性質)・ 延性(引き伸ばすと細い線になる性質)に富む。
3.金属光沢がある。
固体金属というのは、なるだけすき間なく一番外側の電子軌道がとなりと よく接して電子が自由に飛び移れるように、かつ規則的に陽イオンが配置 されています。
結晶
配位数
配位のし方
単位格子
粒子数
金属の例
体心立方格子
8個
下から4個に接し、上からも
4個に接している
1/8×8+1=2
K、Na、Ba、Fe
面心立方格子
12個
まわりから4個、上から4個、
下からも4個に接している
4
Ca、Al、Cu、Ag
六方最密構造
12個
7個の粒子の上に3個の粒子、
その上に7個の粒子が重なる
6
Be、Mg、Zn
⇒
化学結合
[メニューへ戻る]
[HOMEへ戻る]
[前のページに戻る]