Subject   : 天然繊維と合成繊維

カテゴリー  : 学びの館 > 化学 


 天然繊維
木綿はセルロース分子からなり,その平均分子量は約30〜50万の 天然高分子化合物である。セルロースはβ−グルコースが1,4−グリコシド結合した 長鎖状の多糖類であり,セルロース分子が多数集合したミクロフィブリルが,さら に並んで繊維をつくっている。乾燥植物体中の主成分(約30〜50%)であり,最も 豊富な生物資源で,ワタの繊維はその98%がセルロースである。
 合成繊維
合成繊維は,人工的に重合反応を行わせて合成した鎖状高分子化合物を,繊維状 にして取り出したものである。半合成繊維(アセテート),再生繊維(レーヨンなど), 無機繊維(ガラス繊維や金属繊維)などは普通合成繊維には含めず,まとめて人造繊 維(化学繊維)という。合成繊維は,原料により,次のように分けられる。
原料 メモ
ポリアミド系ナイロン
ポリエステル系デークロン,テリレン,テトロン
ポリビニルアルコール系ビニロン
ポリ塩化ビニル系ロービル,デビロン
ポリ塩化ビニリデン系サラン,クレハロン
アクリル系オーロン,アクリラン,クレスラン,ボンネル,カシミロン
ポリオレフイン系ポリエチレン,ポリプロピレン
フルオロカーボン系テフロン
ポリウレタン系スパンデックス

合成繊維の生産量のほと んどはポリエステル,アクリル,ナイロンで占められ,三大合成繊維といわれてい る。これらのうち,ポリエステルは適度のこしと混紡性のよさ,アクリルは共重合 による改質の多様性と嵩(かさ)高性,ナイロンは適度の弾性と弾性回復率が特徴で ある。これらのほか,ビニロンは吸湿性,ビニリデンは重さと難燃性,ポリウレタ ンはその大きな弾性などに特徴がある。

 ⇒ 高分子化合物の分類

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