Subject   : 組織地形(structural landforms)

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 組織地形(structural landforms)
 地質構造を反映した浸食地形。一般に砂岩、礫岩などは浸食に対し抵抗が強く、地形的な高まりを構成する。これに対し、泥岩、シルト岩などは相対的に浸食を受けやすいため、低地を構成する。

地層の傾斜度と砂岩・泥岩の組み合わせ等に応じ、メサ(mesa)、ケスタ(cuesta)、フラットアイアン(flat-iron)、ホッグバック(hogs back)等の特徴的な組織地形が形成される。また、断層破砕帯や節理が差別浸食を受けて形成される構造谷や背斜谷、向斜山稜など、褶曲帯を浸食して形成されるものがある。

 組織地形から得られる走向・傾斜等の情報は褶曲や断層分布等の写真地質的解析の基礎データとして利用される。

 ○ 構造地形(tectonic landforms)
 構造という用語は、動的な構造運動と静的な地質構造という二つの異なる意味で使われる。これに対応して、構造地形も変動地形(tectonic landforms)と組織地形(structural landforms)に分けられる。  このうち変動地形は断層や褶曲などの造構運動で基本的な形態が形成された地形で、組織地形は地層を構成する岩石の性質や断裂にともなう破砕に応じ、差別的に発達する特徴的な浸食地形である。造構的見地から変動地形は動的、組織地形は静的な地形と分けることもできる。  構造地形の特徴は造構運動(地殻変動)の種類や広がりを判読する情報となる例が多く、写真地質学的手法の重要な要素として利用される。

 ○ フラットアイアン(flat-iron)
 比較的急(概ね15゜以上)な傾斜を示す地層面がガリー浸食を受けた結果、谷と谷の間に取り残された三角形の斜面地形。その形態がアイロンの底の形に似ていることからこの名称がついた。砂岩、礫岩、石灰岩など浸食抵抗の強い地層がこの地形を形成する。泥層を挟む数枚の硬岩が板を立てかけたように連続する形態が多く分布する。  フラットアイアンは背斜山稜の両翼部や向斜翼部の地表との交差部に形成されることから、褶曲構造判読の重要な鍵として利用される。
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