Subject   : クロロフィル(chlorophyll)

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 クロロフィル(chlorophyll)
 植物の光合成に必要な緑色の色素。葉緑体中に含まれ、葉緑素ともいう。 クロロフィルは光合成に必要な光、すなわちPARを吸収し、その光エネルギーを化学合成系に伝達する。

 高等植物はクロロフィルaおよびクロロフィルbと呼ばれる二種類のクロロフィルを持っている。クロロフィルaは663nmと432nm、クロロフィルbは653nmと467nmに吸収のピークを持っており、共に赤および青の光を多く吸収し、緑の光はほとんど透過する。

 クロロフィルによる吸収は植物特有の反射率特性をもたらし、その吸収帯はリモートセンシングにおける重要な観測波長帯の一つである。

● 光合成有効放射吸収量 (APAR) Absorbed Photosynthetically Active Radiation


 植物の光合成に有効な約0.4〜0.7μm(より詳しくは0.38〜0.71μm)の波長帯の太陽光エネルギーをPARと言い、この内、光合成により吸収される放射エネルギーをAPARと言う。 APARは単位時間、単位面積のエネルギーで表され、通常MegaJoule・m-2・day-1の単位が用いられる。太陽光エネルギーは太陽高度角に依存するため、一日の昼間を通して定義することが多い。

 APARは、キャノピー(樹冠)の上と下の双方において、それぞれキャノピーに入射するPARとキャノピーから反射または透過するPARを測定し、入射成分から反射・透過成分を引くことにより求められる。 ただ、この方法によるAPARの推定には木の枝や幹によるPARの吸収も含まれ、誤差成分となる。

 同じ太陽光条件に対して、異なる植物を比較したとき、APARはLAIおよびNDVIと正の相関があり、リモートセンシングによりAPARを推定する研究も多く行われている。
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