Subject   : 断層(fault)

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 断層(fault)
 地層ないしは岩石中の割れ目(断裂、フラクチャー)のうち、岩石の破壊によって生じた不連続面に平行な変位を伴うものをいう。不連続面に直行する方向に変位のある「裂か」、変位がほとんど認められない「節理」と区別される。破壊機構からは、断層は剪断、裂かは破断、節理は両者を含む。変位を伴う不連続面を断層面といい、その向きは走向・傾斜によって表される。

 断層は分類の基準により、多様な名称が与えられている。一般的には、垂直断面において、断層面の上側の地層(上盤)が下側の地層(下盤)に対し、相対的に下方へずり下がったものを正断層(normalfault)、ずり上がったものを逆断層(reverse fault)という。逆断層のうち、断層面の傾斜が特に低角なものを衝上断層(thrust fault)という。  一方、ずれの成分のうち、水平成分が大きいものを横ずれ断層または走向移動断層(lateral fault)という。

 横ずれ断層では、断層面の反対側にある地層が右側に変位しているものを右横ずれ断層、その逆のものを左横ずれ断層という。また、断層群の分布様式の違いにより、平行断層、放射状断層、雁行状断層等に分けられる。  断層面は通常幅があり、圧砕された断層角礫、断層粘土等を挟むことが多く、規模の大きいものを断層破砕帯と呼ぶ。

 断層の識別・抽出は、資源探査では重要な指針となる場合が多い。石油探査の分野では、断層トラップ等集油構造のひとつとして、鉱物資源の分野では鉱脈鉱床等の胚胎場として重要である。  衛星画像上では、地表で確認が困難な断層もリニアメントとして識別できる場合が多く有効である。

 ■ 褶曲(fold)
層状の地層が波状に変形した形態をいう。地層内部の各部位が連続的で不可逆的で一様でない変位を受けることによって生じる。層位的な上下関係を考慮しなければ、上側に凸な形態をアンチフォーム、下側に凸な形態をシンフォームという。背斜は層位的に上位に向かって凸な場合で、向斜は下位に向かって凸な場合をいう。褶曲面上の湾曲部の曲率が最大の点を結んだ線をそれぞれ背斜軸、向斜軸という。

 褶曲はさまざまな基準により、数多くの分類がなされている。例えば、分類の基準が形態に基づくものでは平行褶曲や相似褶曲、運動様式(形成機構)に基づくものでは流動褶曲や剪断褶曲、力学的観点に基づくものでは曲げ褶曲や座屈褶曲等に分類される。
 ⇒ 活断層(active fault)

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