Subject : 赤外線(infrared radiation)
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赤外線(infrared radiation)
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可視光の長波長側の端、約0.75μmから1mm位までの波長範囲にある電磁波をいう。
赤外線は波長によって、
(1)近赤外(0.7〜3μm)、(波長0.77〜1.5μm)
(2)中赤外(3〜6μm)、(波長1.5〜14μm)
(3)遠赤外(6〜15μm) 、(波長14〜100μm)
(4)超遠赤外(15〜1000μm)
に分類されている。
上限は明確でなく、一部サブミリ波と重なる。波長により近赤外線、中間赤外線、遠赤外線などに区別されるが、名称、境界の波長ともまちまちで、人や組織により異なる。なお、これらのほか波長1.0 〜2.5μmを短波長赤外(SWIR : short wave infrared)、
波長8〜14μmを熱赤外(TIR : thermal infrared)などと呼ばれている。
1800年F.W.Hershelが可視スペクトルの端より長波長側に熱効果の大きい部分の存在を発見し、 1835年にはA.Ampereがこれが可視光と同種類の光波であることを示した。分子の電子スペクトルは近赤外部に、振動スペクトルは近赤外、中間赤外部に、回転スペクトルは遠赤外部に現れ、分子ひいては物質の同定に利用される。資源探査のために用いられている波長帯には、OH基の伸縮/曲げ振動のスペクトルに対応する中間赤外(2.1〜2.8 μm)があり、粘土鉱物や炭酸塩鉱物検出に用いられている。また、鉱物識別用TIMS(Thermal Infrared Multi-spectral Scanner)で用いられている、Si-Oの伸縮振動スペクトルに対応する遠赤外(8-14μm)がある。
- ○ 近赤外部の検出
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近赤外部の検出には、一般には写真乾板、燐光体、熱電対、光電池などが用いられ、長波長の検出には、熱電対、ボロメータ、焦電素子、気体の熱膨張を利用する方法(ゴーレイセル)が用いられる。リモートセンシングでは、画像形データを得るため、速応答、小型、高感度検出器が必要で、(光)量子形検出器が用いられ、また、データの記録・伝送を考慮して電気信号の得られるものが必要である。上述の検出器のうち、電気信号の得られるものの多くは赤外放射の放射エネルギーを一旦熱エネルギーに変換して検出するもので、熱形と呼ばれ、応答速度が遅いため、リモートセンサには用いることができない。
光量子形でリモートセンサに用いられるものには、近赤外までのSiフォトダイオードのほか、 InAs(〜3μm)、InSb(〜6μm)、HgCdTe(〜20μm)などがあり、長波長用は液体窒素温度(77゜K)近くまで冷却して用いられる。これは、長波長になるにしたがい、光量子のもつエネルギーhν=hc/λ=1.24/λ[eV](λは[μm])が小さくなるため、検出素子のバンドギャップを小さくする必要があるが、そうすると熱雑音が増えるため(kT=0.025eV, T=300k)、冷却してそちらを抑える。
⇒
赤外放射スペクトル
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