Subject   : マイクロ波(microwave)

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 マイクロ波(microwave)
 波長1cmから30cm付近までの電磁波の呼び名。波長1mmから10mmまでのミリ波帯も含めてマイクロ波と総称する場合もある。長波長側の境目もあまり厳密ではない。周波数が300 MHzから30 GHzの電磁波(電波)で、レーダーや通信、医療分野で広く利用されている。

 マイクロ波帯では、光波長域と異なり波長と周波数が同じ程度に使われる。波長λをcmの単位、周波数fをGHzの単位で表すと、λ[cm]・f[GHz]=30である。

 マイクロ波の周波数帯の中は通常、周波数の低い方からP、L、S、C、X、Ku、K、Kaというバンド名称が与えられており、レーダに限らずマイクロ波全般の広い分野で使われる。

1950年代以降、新しい加熱装置として食品の乾燥や加熱用途で家庭から産業界まで急速に普及した。伝統的な加熱手段であるスチームや電気ヒーターが物質表面から内部へ熱を伝える伝導加熱であるのに対し、マイクロ波加熱は物質を内部から直接加熱するため高速で均一な加熱が可能で、エネルギー効率の向上や加熱時間の短縮に大きな効果がある。

 マイクロ波は大気中での減衰が非常に少なく、大気や雲の影響は周波数が20GHz以上にならないと顕著ではない。 10GHz以下では雨の影響もあまり受けない。したがって、マイクロ波は衛星や航空機から地球を観測する上できわめて有用である。

 リモートセンシングにおいて、マイクロ波は次の二通りの方法で活用される。一つはマイクロ波を地球表面へ向けて送信し、地表面で散乱されて戻ってくる波を検出するものである。散乱波の強度の変化の中に対象物についての情報を求める。代表的なセンサとしてSAR、マイクロ波散乱計などがある。もう一つは地球表面や雲、大気などからの熱放射を受信するもので、観測対象に応じて適切な周波数帯を選ぶと海面温度、海面の粗さ(海上風の風速)、極域の海水の広がり、大気中の水蒸気量などに関する情報が得られる。

 ○ 周波数可変型半導体マイクロ波発生器
電子レンジではマグネトロンとよばれるマイクロ波発生器が用いられている。マグネトロンは安価で比較的高出力が得られる利点があるが、寿命が短い、発振周波数が不安定、発振周波数が固定、出力の制御性が悪いなどの欠点もあった。本研究開発では、通信用に用いられる半導体素子で構成されたマイクロ波発生器を採用することで、マイクロ波周波数の自由な調整が可能となった。本発生器は、微弱出力から高精度に出力制御できること、小型化が可能なことなどの特徴も備えている。
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