Subject   : 音圧レベル

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 音圧レベル
 音圧は、その名の通り音の圧力であるが、 通常、空気中の音の伝播を考えた場合、気体の圧力であるパスカル(pa)で表すことがある。 人が聴くことができる最も小さな音圧(最小可聴音)は20[μpa]であると言われている。 これに対してロックコンサートなどの音圧(最大可聴域あるいは痛覚域)は20[pa]程度となる。 実に100万倍の圧力である。

 音圧を数値で表現したものを音圧レベルと呼ぶ。この音圧レベルをパスカルで表現すると桁が多くなり過ぎて実用にならない。 そこで桁を少なく表現でき、なおかつ広範囲に渡る情報を扱える対数をもとにした単位デシベル(dB)が通常は用いられている。 なお、「音量」も音の大きさを表現するが、これは感覚的な音の大きさで、音圧は物理的な音の強さを表現するものだ。

● デシベルの式
最初は電話による伝送システムにおいて、ある場所からある場所に信号(電力)を送ったときに、送った電力をP1、 負荷で消費した電力をP2とした場合の電力比を次の式で表した。

100×log(P1/P2)このときの単位を,ベル[B]と決めた。ただ、これでは値が大きすぎるので、それを1/10した値を使用することにした。 このとき1/10を補助単位で表現するとデシ[d]となる。こうしてできた式がデシベル[dB]の式であり、電力比の式である。

電力比 [dB] = 10×log(P1/P2)次に、この電力比の式を電圧比にしたものが考えられた。これも単位はデシベル[dB]となる。

電力比
= 10×log(P1/P2)
= 10×log{(V1・I1)/(V2・I2)}
V1,V2:電圧 I1,I2:電流

= 10×log{(V1・V1/R1)/(V2・V2/R2)}
I1=V1/R1, I2=V2/R2 R1,R2:抵抗

= 10×log{(V1^2/V2^2)・(R2/R1)}
V1^2, V2^2:各電圧の2乗

ここでR1=R2であるから、

= 10×log(V1^2/V2^2)
= 10×log{(V1/V2)^2}
= 20×log(V1/V2) = 電圧比 [dB]

このようにデシベルには電力比を表したものと電圧比(あるいは電流比)を表したデシベルが存在する。 通常、音響の世界では、電圧比によるデシベルが多い。 また、デシベルは比較を表す、つまり相対関係を表す単位である。そのため、ある基準を決めなければならない。 先の音圧レベルでは、最小可聴音の20[μpa]を0[dB]としている。 これを基準にするとロックコンサートの20[pa]は120[dB]となる。
 ⇒ 音(音波)

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