Subject   : 星の等級(Magnitude)

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 星の等級(等星)
全天に見える恒星のうち、よく光る21個の星を1等星、暗くなるにつれて2等級・3等級と決め、肉眼でようやく見える暗い星を6等星としたのは、B.C.150年頃ギリシアのヒッパルコス。1830年ごろJ.ハーシェルは各等級の星の明るさを測定し、等級が等差級数で進めば星の明るさは等比級数で減ずること、1等星の平均の明るさは6等星の平均の明るさの100倍であることを発見した。1等違うと2.5118864315倍明るさが違ってくる。これが現在の「等級」。星雲や星団などの場合は全体の光を一箇所に集めた場合の明るさとして、等級と表現される。1等級より明るい天体では、0等級、-1等級、-2等級という具合にマイナス符号を付けて表す。 肉眼星( naked-eye star )は、肉眼で見える星のことをいう。6等より明るいもので、全天での総数は約5000個。

 ○ 実視等級(肉眼等級/眼視等級/視等級(みかけの等級))
肉眼で得られた等級、天体の見かけの明るさを示す一つの尺度。数値が小さいほど明るい。太陽は−27等級、北極星は+2等級、最大の望遠鏡で+26等級ぐらい。肉眼に感ずる明るさによって恒星の等級を定めたもの。ギリシャのヒッパルコスによって1〜6等級まで振り分けられた。天体によっては肉眼で見た場合と写真で撮った場合とでは明るさが大きく異なる。このような天体の明るさを表す場合、実視等級(肉眼等級)、写真等級といったいい方をする。

 ○ 絶対等級(標準等級/標準光度、絶対光度)
10パーセク(32.6光年)の位置から見た天体の等級。ある一定の距離から見た天体の等級のことで、天体の実際の光度の大小を比較するために使われる。太陽は見かけの光度−26.74等であるが、絶対等級の実視等級は+4.83等、写真等級は+5.48等である。また小惑星や彗星の絶対等級は、太陽と地球からの距離がともに1天文単位のところでの等級のこと。

 ○ 放射等級(輻射等級)
天体が放射する電磁波エネルギー全波長を足し合わせた光度から求めた等級。 (bolometric magnitude)

 ○ 北極標準星(North Polar Sequence)
北極標準星 North Polar Sequence 天の北極付近の恒星の明るさをを高い精度で決めてあるもので、等級決定の標準としている。写真等級については、2.55等の北極星から20.10等の恒星まで96個、写真実視等級については、2.08等の北極星から17.43等の恒星まで80個が選ばれている。これが決定されたのは、1922年の第1回国際天文連合総会の第25分科会。 北極系列(North Pole series )ともいい、北極付近は北半球から見て、季節や時間によって高度が違うことがなく、大気による減光が一様なので、お互いの見かけの光度が変動することがない、それで標準となった。
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