Subject   : カルスト(karst)

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 カルスト(karst)
 『石灰岩などの可溶性岩石の分布地域にみられる、主として雨水や裂か水の溶食作用によって形成された特異な地形。

カルスト地形ができるためには、地下水面上にかなりの厚さの石灰岩層があること、石灰岩層に水の通路となる割れ目があること、降水量がある程度以上あることなどの条件がある。地表でみられるカルスト地形には、ドリーネ(doline)と呼ばれるおわん状の凹地や、隣接するドリーネが連合してできたと考えられるウバーレ(uvala)と呼ばれるより大きな凹地、円錐カルスト(cone karst)と呼ばれる円錐状の凹地形などがある。円錐カルストは熱帯や亜熱帯の高温湿潤地域に多くみられる。地下に発達するカルスト地形には、鍾乳洞(limestone cave、cavern)と呼ばれる裂か水の溶食作用によって形成された洞穴がある。鍾乳洞の中には裂か水の滴下によってできた鍾乳石(stalactite)や石筍(stalagmite)がみられる。カルスト地形の発達した地域はカルスト地域と呼ばれ、ヨーロッパではユーゴスラビア北西部が有名。日本では山口県の秋吉台、福岡県の平尾台、広島県の帝釈台などが有名。

 ○ カルスト地形(karst topography)
『石灰岩や苦灰岩などの炭酸塩岩が分布する地域の地表と地下に形成される、二酸化炭素を含む雨水や土壌水による溶食システム。カルストの名は、石灰岩台地からなるスロベニアのクラス地方(Kras)が、ドイツ語でカルスト(Karst)と紹介されたことに由来。地表ではドリーネ、ウバーレ、ポリエなどの凹地形や、ピナクル群のあるカレンフェルト、円錐カルスト、フム、タワーカルストなどの凸地形が形成される。地表の水はシンクホール(吸込み穴)を通して地下水系に流入し、洞窟を形成。ポリエでは、カルスト湧泉として地下水が地表に現れ、末端でポノール(吸込み穴)に流下。特に熱帯多雨地域では溶食が速い速度で進み、コックピットが形成され、凸地が孤立して、円錐カルストやタワーカルストが形成される。
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