Subject  : エコノミークラス症候群(旅行者血栓症)

カテゴリー: おでかけ


 エコノミークラス症候群(旅行者血栓症)
長時間、同じ姿勢で座ったままでいるなど足を動かさないでいることで、足の血液が流れにくくなり、膝の裏側の静脈に血栓(血液の塊)ができることがあります。到着して身体を動かすことで体内の血流が増加するため、できた血栓が肺まで流れ肺の血管を詰まらせます (肺血栓塞栓症)。血管が詰まると、血流を遮るので肺の細胞が壊死し、「胸の痛み」や「息苦しさ」から呼吸困難に陥って、最悪の場合は命を落とすこともある病気です。

飛行機での長時間の移動の際、エコノミークラスの利用者に発症が多かったことから、エコノミークラス症候群とも呼ばれこの名称の方がよく知られていますが、エコノミークラスだけでなくビジネスクラスでもファーストクラスでも起こります。また、バスや電車、船、車の中、極端な例では長時間のデスクワークや会議の後、また劇場でも起こることがあるのです。 最近では”旅行者血栓症”または、“ロングフライト血栓症”と呼ぶことが奨められています。一般的に、6時間以上のフライトをロングフライトと定義していますが、個人の体調や環境などによって6時間未満のフライトでも起こることがあります。

長時間、足を動かさないままでいると太ももの付け根や膝の裏側が圧迫され血液の流れが滞るため、血栓ができやすくなります。 また、機内の湿度は5〜15%ととても低く、なんと砂漠より乾燥した状態です。この湿度では、通常1時間に80ccの水分が体から失われるので、血液の濃度や粘度が高くなりドロドロした状態になるため、血栓ができやすくなります。 さらに、機内では気圧や酸素濃度も低下する(地上の80%になると言われています)ため、特に血栓ができやすい環境にあると言えます。

多くは、到着間際の機内や到着した空港で発症することが多いようですが、フライト後2週間以内に旅行先や自宅で発症することもあります。また、短期旅行者では帰りの便の方が発症するケースが多いことも特徴です。 50歳以上の中高年の方に多く、男性より女性の方が多いようです。

1〜2時間に1度は席を立ち、少し遠くのトイレに行くなどして足を動かす工夫が大切です。 座っているときにも、1時間に1回、3〜5分を目安に、「足の指先を動かす、足のつま先とかかとを交互に上げ下げする、ふくらはぎをマッサージする」といった方法で、血液の流れを助けてあげましょう。
1時間に1回、コップ半分の量が目安です。水でも構いませんが、スポーツドリンクなどのイオン飲料は体内の水分を保持するのにより効果的です。レモンには血流を改善する働きがあるので、レモン果汁の入った飲み物をとるのもいいでしょう。 イオン飲料などをフライトの前に購入しておくと安心です。 アルコールやコーヒー、紅茶のような利尿作用のある飲み物は、尿が多く出てかえって脱水状態になることがありますので、飲みすぎないように気をつけてください。

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